米中貿易交渉が進展するとの期待などから前日の米国株式相場が上昇したことを手掛かりに買いが優勢でスタートした。米国株式市場の引け後に発表されたテキサス・インスツルメンツの決算が市場関係者の予想を上回ったことから、東京株式市場でも半導体市況の改善期待から検査装置のアドテストが約11年7カ月ぶりの高値を付けたほか、トヨタが年初来高値を更新するなど自動車株の上昇も相場を支えた。
また、外国為替市場では1ドル=108円台前半で推移し、輸出セクターに追い風となった。
ただ、上値を追う動きは限られた。このところの外需株の堅調さを背景に内需株から資金を移す動きが広がった。医薬品のほか、不動産や建設などが下げて相場全体の重荷となった。
主要企業の決算発表を控え、積極的に持ち高を一方向に傾ける投資家が少ない。日中はコンピューターのアルゴリズム取引の売買が中心で、日経平均の値幅(高値と安値)は67円にと狭いレンジでもみ合う動きとなった。
市場からは「きょう引け後に日電産など重要企業の決算が出てくることで、見極めたいとの空気はある。ただ、足元業績が良くなくても、展望が暗いものでなく回復の兆しがあれば、見直されるだろう」との声が聞かれた。
東証株価指数(TOPIX)は続伸し、前日比6.27ポイント高の1575.09で終えた。JPX日経インデックス400も続伸し、終値は57.59ポイント高の1万4012.31だった。
商いは低調だった。東証1部の売買代金は概算で1兆8437億円と、4営業日続けて節目の2兆円を割り込んだ。売買高は9億9505万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1199、値下がりは837、変わらずは114だった。