朝方は、やや買いが先行した。前週末はクリスマスの振替休日で米国株式市場などが休場となり、手掛かり材料に乏しいなか、強含んで始まった。
ただ、買いは続かず、下げ転換。新型コロナウイルス変異株「オミクロン株」の感染拡大への警戒感は根強く、手じまい売りに軟化し、一時2万8658円82銭(前週末比123円77銭安)まで値を下げた。その後下げ渋ったが、戻りは限定され、引けにかけて上値の重い動きとなった。
クリスマスや年末で休みの機関投資家が多く、売り急ぐ動きは限られた。東証1部の売買代金は4営業日連続で2兆円を下回った。
国内ではオミクロン株の市中感染が確認された地域が広がりをみせるほか、欧州ではコロナ感染が再拡大している。経済活動が再び制約されるとの懸念が相場の重荷となった。年末とあって、個人投資家による節税目的の損失確定の売りも意識されやすかった。今年値動きがさえなかったソフトバンクGやファストリの下げが目立った。
一方で、東エレクが連日で最高値を更新したほか、アドテストも上げた。半導体関連への資金流入が続き、日経平均の支えとなった。
市場からは、見送り状態だ。市場参加者が少なく特段の材料もない。とりあえず今晩の米国株がどう動くか見たいところだ。「オミクロン株の感染拡大は懸念材料だが、重症者、死者は少なく、飲み薬の認可で過度な悲観は薄らいでいる」との声が聞かれた。
JPX日経インデックス400、東証株価指数(TOPIX)はともに続落した。TOPIXは8.88ポイント安の1977.90で終えた。
東証1部の売買代金は概算で1兆6685億円、売買高は7億7748万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1455、値上がり銘柄数は635、変わらず銘柄数は95だった。