前日に3週間ぶりに3万3000円を割り込んだが、昨日までの地合いとは打って変わって日経平均は急速な切り返しをみせた。前日の米国株市場では米長期金利の低下を背景にハイテク株が強さを発揮、NYダウは安かったもののナスダック総合株価指数はプラス圏で着地。米10年債利回りは4.1%台まで低下しており、株式市場の相対的な割高感が緩和され、グロース株中心に投資資金が誘導された。
これを受けて東京株式市場でも市場センチメントが改善した。値がさ株を中心に幅広い銘柄に押し目買いが入った。東エレクなど半導体関連銘柄が買われた。ファストリなど前日に売られた値がさ株に買いが入り、日経平均を押し上げた。米金利低下を受け、日本の長期金利が8月中旬以来の低水準となったのも支援材料だった。
取引時間中に米株価指数先物が強い動きを示していたことも追い風となったほか、今週末のメジャーSQ算出を控え、先物を絡めた買い攻勢が顕著で全体指数を押し上げた。
日経平均は前日までの3営業日で700円余り下げていた。足元の国内企業業績などが好調にもかかわらず、日本株は短期的に下げすぎとの見方が多く、値ごろ感に着目した買いが入りやすかった。5日発表の11月の米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業景況感指数が好不況の分かれ目となる50を上回り、米景気懸念が和らいだのも追い風だった。株価指数先物には朝方の買い戻し一巡後も断続的な買いが入り、午後もじり高の展開だった。
東証株価指数(TOPIX)は3営業日ぶりに反発し、44.51ポイント(1.90%)高の2387.20で終えた。JPXプライム150指数も3営業日ぶりに反発し、終値は21.08ポイント(2.03%)高の1058.07だった。
市場では「きのうの下げを否定するような大陽線を立てたが、3万3500円近辺では戻り待ちの売りが控えているとみられ、上値追いには新たな材料が欲しいところ」との声が聞かれた。