東京株式市場は様子見気分が強い中、売りに押される展開となった。朝方は半導体関連株が人気を集め、日経平均は前日比87円高まで上昇した。
しかし、週末を控えて利益確定売りが続いた上、東京の新型コロナウイルス感染者数の高止まりも意識され、上値が重くなった。
鉄鋼株や海運株など景気敏感株を中心に売りが出て、下げ幅は一時100円を超えた。
東京都で確認された新型コロナウイルスの新規感染者が17日、293人と過去最多になったと午後に伝わり、日経平均は下げ幅を広げた。
政府が来週から予定する国内旅行の需要喚起策も感染を助長するとして懸念が強い。米国でも16日の新型コロナの新規感染者数が7万人を超え、過去最多を更新した。
朝方はワクチン開発期待から買いが先行しており、午後も下値では押し目買いがみられた。米製薬大手のジョンソン・エンド・ジョンソンが16日、新型コロナのワクチン開発を前倒しし、9月中にも最終段階の臨床試験(治験)を始めると発表していた。
また、政府が観光需要喚起策「Go To トラベル」について東京都発着の旅行を対象外にすると決めたことを受け、空運株の下落が目立った。一方、景気に左右されにくい電気・ガス株が比較的しっかりしていた。
市場では「夏枯れのような相場」との声もあった。半導体関連株も「短期的には過熱感が強い」との見方が多く、伸び悩んだ。
JPX日経インデックス400は続落。終値は前日比46.95ポイント安の1万4192.86だった。東証株価指数(TOPIX)も続落し、5.21ポイント安の1573.85で終えた。
東証1部の売買代金は概算で1兆8023億円。売買高は9億9971万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1272と、全体の約6割を占めた。値上がりは827銘柄、変わらずは72銘柄だった。