前日の米株市場では公表された7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で年内のテーパリング実施の可能性が高まったとの見方が嫌気されたが、きょうの東京株式市場でもそれを受けて朝方から売り優勢の地合いとなった。
前場は下げ渋る場面もあったが、その後は売り直される展開を余儀なくされた。国内で新型コロナウイルスの感染者数の増加に歯止めがかからないことから、買い手控えムードは拭えない。
また、日経平均は大引けにかけて下げ幅を拡大した。「トヨタは9月の世界生産を計画比で4割減らす」と14時30分過ぎに日本経済新聞電子版が伝えたのをきっかけにトヨタやデンソーが下げ幅を拡大し、相場全体の地合いを冷やした。半導体不足や東南アジアでの新型コロナウイルスの感染拡大が自動車の生産に影響を及ぼしている。
新型コロナの感染は世界的に再び広がっている。中国の景気の先行き懸念もあるなかで、海運や石油、鉄鋼などの下げも目立った。日本株は米国株と比較した出遅れ感が目立っていただけに、底堅く推移する場面もあったが、買いの対象はディフェンシブ性が高い医薬品や食料品の一角にとどまった。
市場では「新型コロナウイルスの感染拡大が止まらないなか、海外投資家は様子見姿勢を強めており、買い手不在の展開が続きそう」との声が聞かれた。
JPX日経インデックス400は反落した。終値は前日比227.06ポイント安の1万7089.13だった。東証株価指数(TOPIX)も反落し、26.78ポイント安の1897.19で終えた。1900の節目を下回るのは約1カ月ぶり。
東証1部の売買代金は概算で2兆3841億円。売買高は10億7624万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1798と、全体の約8割を占めた。値上がりは331、変わらずは60銘柄だった。