朝方取引開始前は前週末の欧米株市場が総じて堅調で、米国市場ではナスダックが連日過去最高値を更新するなどハイテク株に買いが優勢だったことから強気にみる向きが多かった。ところが、寄り付きこそ高く始まったものの、その直後から上値の重さが露呈した。景気敏感株を中心に売られ下げ幅は一時200円を超えた。
前週の日経平均は4営業日続伸でこの間に1100円以上の上昇をみせていただけに、目先利益確定の売りが目立つ展開となった。
午後はトランプ米大統領が「我々が選挙で負けたなどあり得ない」とツイッターに投稿したこともあり、日本時間30日午後のNYダウ工業株30種平均先物が下げて相場の重荷となった。
大引けで米指数算出会社MSCIが発表した指数採用の銘柄入れ替えに伴う商いが発生する見込みだったことも影響したようだ。みずほ証券の試算では日本株から1179億円の資金流出となる。市場からは「利益確定売り以外に、MSCIを意識した動きも指数を押し下げた」
との声があった。
日経平均は11月に15.0%(3456円)上昇した。上昇率は1994年1月以来26年10カ月ぶりの大きさになる。
前週末の米株高を受けて日経平均株価は上昇して始まったが、買いの勢いは続かなかった。日経平均は移動平均線からの乖離(かいり)率が大きく広がるなど、「相場の過熱状態示すシグナルが複数出ていた」とされる。この日は上値追いの材料もなく、下落は「当然の一服」だっだ。
JPX日経インデックス400は5営業日ぶりに反落し、終値は前週末比278.96ポイント安の1万5954.48だった。東証株価指数(TOPIX)は7営業日ぶりに反落し、31.60ポイント安の1754.92で終えた。
東証1部の売買代金は概算で4兆7669億円と約8カ月半ぶりの高水準だった。売買高は24億8779万株だった。MSCIが算出する株価指数の組み入れ比率変更に伴う売買も代金を押し上げた。東証1部の値下がり銘柄数は1810と、全体の約8割を占めた。値上がりは335、変わらずは32だった。