21日の米株式相場が堅調に推移するとの期待が強まり、投資家心理が改善した。
また、外国為替市場での円安基調を受けて、株価指数先物への買い戻しが優勢となった。
米国が一部の日本製鉄鋼製品の追加関税適用を除外すると発表したことも、株価指数先物を売り建てていた投資家に買い戻しを促した。
3月期決算企業の配当金を受け取った投資家が再投資に動いたとの見方もあった。
後場は動意薄とはなったものの、円安基調が維持されたことから堅調な地合いが続き、上げ幅を200円超に広げる場面もあった。引けにかけては伸び悩んだものの、連日で3桁の上昇となった。
上値抵抗線として意識される25日移動平均線(約2万2600円)も突破し、市場関係者は「底入れムードが高まりやすい」と前向きだ。
一方、銀行株安が重荷となり、東証株価指数(TOPIX)は2.12ポイント安の1750.63と小反落した。時価総額の大きい三菱UFJなど銀行株が大幅安だったのがTOPIXを押し下げた。
日経平均株価をTOPIXで割ったNT倍率は12.96倍に上昇し2000年以降での最高を更新した。市場では「日経平均がTOPIXに比べて割高と判断し日経平均先物を売ってTOPIX先物を買ったヘッジファンドが損失を確定する目的で反対売買に動いた」との声が聞かれた。
JPX日経インデックス400は反落した。終値は前日比12.76ポイント安の1万5511.41だった。
東証1部の売買代金は概算で2兆5002億円。売買高は14億251万株だった。
東証1部の値上がり銘柄数は713と、全体の約34%にとどまった。値下がりは1303、変わらずは75銘柄だった。
業種別株価指数(33業種)は、機械、情報・通信業、サービス業の上昇が目立った。下落は、パルプ・紙、銀行業、電気・ガス業など。
個別では、第一三共が年初来高値を連日で更新した。ソフトバンクグループが活況高、ファーストリテイリング、武田、ダイキン、SMC、ソニー、上昇も目立った。ノリタケカンパニーリミテドが急騰、スクウェア・エニックス・ホールディングス、ブレインパッドなども大幅高。フィックスターズ、オハラ、マネックスグループなども物色人気となった。
半面、三菱UFJフィナンシャル・グループなどメガバンクが下値模索。コンコルディや静岡銀も売られた。トヨタ自動車も冴えない。テルモ、日本電産、日東電工も売りに押された。ヨシムラ・フード・ホールディングス、ライドオンエクスプレスホールディングス、ビューティガレージなどが大幅下落、大日本住友製薬も安い。
東証2部株価指数は前日比31.54ポイント高の7449.89ポイントと続伸した。
出来高8565万株。値上がり銘柄数は246、値下がり銘柄数は190となった。
21日に東証2部に新規上場したコーア商HDは10時32分に公募・売り出し価格(公開価格、2670円)を5割ほど上回る4000円で初値を付けた。同日終値は公開価格比35%高の3605円だった。
個別では、ヒラノテクシードが一時ストップ高と値を飛ばした。日本電通、アイケイ、スーパーバッグ、アイ・アールジャパンホールディングス、萬世電機など6銘柄は年初来高値を更新。フライトホールディングス、兵機海運、サイオス、宮入バルブ製作所、ショーエイコーポレーションが買われた。