日銀の金融政策修正を受け、相場が急落した昨日の地合いを引き継ぎ、上値の重い展開が続いた。前場には一時、日経平均は300円近い下落となる場面があった。
売り一巡後は値を戻したが、買いは続かなかった。後場は安値圏での一進一退が続いた。為替相場では、きょうは132円台まで円安方向に振れたことは安心感を呼んだが、不透明感は払拭されなかった。銀行株が高く、主力ハイテク株や自動車株が安い。
日銀は20日、長期金利の変動許容幅を「プラスマイナス0.5%程度」に拡大した。黒田東彦総裁は同日の記者会見で「金融引き締めではない」と強調したが、市場は事実上の利上げと受け止めた。「日銀への不信感が高まった。マイナス金利政策の解除まで思惑が進みかねない」との見方があった。
東証の業種別では「輸送用機器」の下落が大きかった。日銀の緩和修正後の円高進行を嫌気し、自動車株が連日で売られた。トヨタやホンダは年初来安値を更新した。不動産株の下げも目立った。
一方、日経平均は下げ渋り、プラス圏に浮上する場面もあった。貸出金利の上昇による利ざや改善期待で銀行業が前日に続き上げた。三菱UFJや三井住友FG、みずほFGが年初来高値を更新した。