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【大引け概況】


21日の日経平均株価は5日続落した。大引けは前日比180円31銭(0.68%)安の2万6387円72銭で、10月13日以来およそ2カ月ぶりの安値となった。5日続落は8月下旬以来。
 
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日銀の金融政策修正を受け、相場が急落した昨日の地合いを引き継ぎ、上値の重い展開が続いた。前場には一時、日経平均は300円近い下落となる場面があった。
売り一巡後は値を戻したが、買いは続かなかった。後場は安値圏での一進一退が続いた。為替相場では、きょうは132円台まで円安方向に振れたことは安心感を呼んだが、不透明感は払拭されなかった。銀行株が高く、主力ハイテク株や自動車株が安い。
 
日銀は20日、長期金利の変動許容幅を「プラスマイナス0.5%程度」に拡大した。黒田東彦総裁は同日の記者会見で「金融引き締めではない」と強調したが、市場は事実上の利上げと受け止めた。「日銀への不信感が高まった。マイナス金利政策の解除まで思惑が進みかねない」との見方があった。
 
東証の業種別では「輸送用機器」の下落が大きかった。日銀の緩和修正後の円高進行を嫌気し、自動車株が連日で売られた。トヨタやホンダは年初来安値を更新した。不動産株の下げも目立った。
 
一方、日経平均は下げ渋り、プラス圏に浮上する場面もあった。貸出金利の上昇による利ざや改善期待で銀行業が前日に続き上げた。三菱UFJや三井住友FG、みずほFGが年初来高値を更新した。
 
 

市場からは「米株先物高をにらみ、前場にいったん値を戻したが、買いは続かなかった。日銀の緩和修正への警戒感が尾を引き、不安定さを残している。円高がさらに進むようだと、日経平均は10月3日安値(2万5621円)が意識されてくる」との声が聞かれた。
 
東証株価指数(TOPIX)は5日続落した。終値は前日比12.27ポイント(0.64%)安の1893.32と、1900の節目を下回り10月24日以来の安値となった。
 
東証プライムの売買代金は概算で3兆7191億円。売買高は17億7960万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1387、値上がりは400、変わらずは51銘柄だった。
 
業種別株価指数(33業種)では輸送用機器、不動産業、電気機器などが下落。銀行業、海運業、小売業などは上昇した。


個別銘柄では、為替の円高進行が警戒されトヨタ自動車が年初来安値を更新したほか、日産自動車、ホンダといった自動車株が安い。レーザーテックや東京エレクトロンが下落し、ソニーグループやキーエンスが値を下げた。三井不動産や三菱地所が安く、三菱重工業,オリエンタルランド,パナHD、フジクラ、キヤノンも軟調だった。
 
 半面、三菱UFJフィナンシャル・グループや三井住友フィナンシャルグループ、みずほフィナンシャルグループといったメガバンクが高く、ソフトバンクグループやファーストリテイリングも堅調。日本郵船,川崎汽が値を上げ、ニトリホールディングスやエムスリー、神戸物産、日清粉G、明治HD、エムスリーが買われた。