前日の米株高や米国の政権移行が始まる安心感から景気敏感株を中心にこの日も大きく買いが先行。1ドル=104円台半ばまで戻した円安も追い風となって日経平均の上げ幅は一時前日比500円高を上回り2万6700円台まで上がる場面もあった。
一方、東京都が飲食店の営業時間規制を再要請するとの報道が伝わったことで中頃から上げ幅を縮小。目先の利食いのきっかけとなったようである。
ワクチン期待などを背景に年初来、先物中心に日本株の売り持ち高を積み上げてきた海外投資家が買い戻して相場上昇をけん引した。国内機関投資家も追随して買いを入れたようだ。NYダウ工業株30種平均が24日、節目となる3万ドル台になったことで投資家のリスク許容度が大幅に改善した。
ただ、24日から2日間で1000円を超える上昇に高値警戒感が広がり、次第に上値が重くなった。「朝方、2万6700円台に乗せて、日経平均の最高値からバブル後最安値までの下げ幅の61.8%戻し(黄金分割比率)である2万6745円が意識され始めたことで、徐々に利益確定の売りが出始めていた」と指摘する。
さらに昼過ぎには東京都が飲食店に時短営業を再要請するとの報道が伝わったことで、感染拡大による経済活動の低下への懸念が重荷となった。朝方買いに入った短期筋にも利益確定の売りが広がった。上げ幅を急速に縮めていった。
JPX日経インデックス400は続伸。終値は前日比70.97ポイント高の1万6053.57だった。東証株価指数(TOPIX)は4日続伸し、5.27ポイント高の1767.67と、2018年9月以来、約2年2カ月ぶりの高値水準で終えた。
東証1部の売買代金は概算で3兆1507億円。売買高は15億4946万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は771と、全体の4割弱にとどまった。一方の値下がりは1318と、約6割を占めた。変わらずは89銘柄だった。