
きょうの東京株式市場は見送りムードが強い地合いだった。前日の米国株市場でNYダウ、ナスダック総合株価指数ともに続伸したが、ダウの上昇率はわずかにとどまった。9月30日の会計年度末までに「つなぎ予算」を成立させないと米政府機関が一部閉鎖する懸念があり、これが買い手控え要因となっている。
東京株式市場では外国為替市場で足もとドル安・円高方向に振れていることが警戒されたほか、中間期末に伴う機関投資家のポジション調整の売りが観測され投資家のセンチメントを冷やした。
また、今週末の米雇用統計や10月4日に投開票が行われる自民党総裁選の結果を見極めたいとの思惑が上値を押さえた。しかし、押し目買いも活発でTOPIXはプラス圏で引けている。なお、9月は月間では日経平均が約5.2%水準を切り上げ、6カ月連続上昇となっている。
きょうは9月期末とあって国内の機関投資家から持ち高調整の売りが出やすかった。ソフトバンクグループ(SBG)やアドバンテスト、フジクラなど7〜9月の株高をけん引してきた銘柄に売り圧力が強まり、日経平均の下げ幅は300円を超える場面もあった。
市場関係者は「四半期末や四半期初めは国内の機関投資家からリバランス(資産配分の調整)目的の売りが出やすい傾向にあり、相場の重荷になった」と話す。日経平均は夏以降、大きく上昇し、最高値圏で推移している。持ち高に占める保有比率の高まった日本株を売って債券を買う動きが断続的に出ていたようだ。
一方、日本株の根強い先高期待を背景に下値では押し目買いを入れる動きもみられ、日経平均は上昇に転じる場面があった。日銀の利上げ再開を意識した買いが金融株に入り、三菱UFJなどのメガバンク株が堅調だったことも相場を支えた。日銀が30日朝発表した金融政策決定会合(18〜19日開催)の「主な意見」では「そろそろ再度の利上げを考えてもいい時期かもしれない」と再利上げを示唆する内容があった。
東証株価指数(TOPIX)は反発した。終値は6.03ポイント高の3137.60だった。JPXプライム150指数は3営業日ぶりに反発し、5.03ポイント(0.37%)高の1359.15で終えた。
9月の日経平均は月間で5.18%高となり、6カ月連続で上昇した。6カ月連続は2023年1〜6月以来2年3カ月ぶりの長さ。TOPIXも月間で2.02%高と6カ月連続で上昇した。23年1〜8月以来、2年1カ月ぶりの長期上昇となった。
さて、東京株式衣市場は期末で手控えとなる中、日経平均は3日続落で3連続陰線を引くなど微調整の状況にある。9月相場は月初から下旬まで一貫して上げ基調をたどったため当然の一服といえる。米国でつなぎ予算案が30日までに可決されなければ政府機関の一部が閉鎖されることへの警戒感も多少はあるようだ。とはいえ高値圏でこの程度しか押さないのは依然として基調の強さの表れともいえるだろう。