欧米で再拡大する新型コロナウイルスの感染動向や米国の景気刺激策の先行き不透明感を背景に、リスク回避姿勢が強まった。アジアの株式相場が総じて大幅に下げたことも重荷となり、下げ幅は一時300円を超えた。
欧州で新型コロナウイルス感染の再拡大が懸念されているほか、米国では追加経済対策をめぐる与野党協議が難航しており、景気の先行きに警戒感が高まった。鉄鋼、自動車など景気に左右される業種の下落が目立った。「グローバル企業にピンポイントで海外勢の売りが出た」という。
それでも2%を超える下げとなったS&P500種株価指数などの前日の米株式相場に比べれば下落率が限られており、「日本株の耐性は意外としっかりしている」との声は少なくなかった。
配当・優待の権利確定が間近に迫った銘柄では底堅さもみられたが、市場関係者からは「季節的な需給要因に支えられており、権利落ち後の相場に注意が必要」と警戒する見方も出ていた。
JPX日経インデックス400は続落。終値は前日比146.93ポイント安の1万4645.67だった。東証株価指数(TOPIX)も続落し、17.81ポイント安の1626.44で終えた。
東証1部の売買代金は概算で2兆2909億円。売買高は12億4782万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1685と、全体の8割近くを占めた。値上がりは419、変わらずは72銘柄だった。