上げ幅は1990年10月2日の2676円55銭を上回り、過去最大を記録した。前日には4451円安と過去最大の下げ幅を記録するなど足元で急落が続いていた反動で、自律反発を狙った海外短期筋の買いが優勢となった。外国為替市場での円高・ドル安の一服やアジアの株式相場などの上昇も支えに、上げ幅は一時、3400円を超えた。
先物主導で海外ヘッジファンドの買い戻しが進み、全体指数を押し上げる格好に。前日の欧米株市場は全面安商状だったが、米国では発表されたISM非製造業景況感指数を受けてリセッション懸念がやや後退、米長期金利が下げ止まった。これを背景にドル・円相場が一時1ドル=146円台まで大きく円安方向に押し戻され、投資家心理の改善につながった。財務省と金融庁、日銀の3者会合が引け後に行われると伝わったことも買い戻しに拍車をかける材料となったようだ。
米ダウ工業株30種平均は前日に1000ドルを超える下げとなっていたが、日本時間6日のダウ先物などが持ち直したほか、韓国総合指数などアジア株式相場の上昇もあって、世界的な株安連鎖への懸念が後退した。
前日までの相場急落で含み損が拡大したり、信用取引で追加担保の差し入れを求められる「追い証」が発生した個人投資家も多いとみられ、買いの主体は海外短期筋に限定されていたとの見方が多い。戻り待ちの売りで伸び悩む場面もあったが、先高観が急速に戻るなかで先物買いの勢いは強く、大引けにかけて再び上げ幅を広げた。
財務省と金融庁、日銀が開く国際金融資本市場に関する情報交換会合(3者会合)では、日経平均や円相場の乱高下について意見を交わすとみられる。市場では「それぞれが、今もっている情報を共有するだけだろう」と、きょうの相場への影響は限られたとの声が多い。