
自民党の高市早苗新総裁と日本維新の会の吉村洋文代表の党首会談が15日に行われ、連立政権の構築を視野に、政策協議を開始することで両党は合意した。これを受け、高市総裁が次期首相に指名される可能性が高まったとの受け止めが広がり、投資家心理を上向かせた。前日の米株式市場でフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が3%近く上昇したことに加えて、台湾積体電路製造(TSMC)<TSM>が16日に発表した25年7~9月期の決算は純利益が過去最高となったことも、株式市場に安心感をもたらした。
ドル円相場は一時1ドル=150円台半ばまで円高に振れる場面があったが、日本株への影響は軽微なものとなり、日経平均は後場終盤に一段高となった。副首都構想の実現の思惑から、関西の電鉄株や建設株などが物色人気化した。この日は値がさ株の上昇が顕著となり日経平均を押し上げた一方、プライム市場での値上がり銘柄数は全体の53%にとどまった。
市場では高市氏が首相になる可能性が高まったとの見方が広がり、同氏が志向するとみられる財政拡張的な政策が改めて意識された。
日経平均への影響が大きいソフトバンクグループ(SBG)は8.5%高で終え、1銘柄で日経平均を380円ほど押し上げた。傘下の英半導体設計アーム・ホールディングスの株高がこのところ続いている。米連邦準備理事会(FRB)が量的引き締め(QT)を今後数カ月で停止するとの観測が広がり、ハイテク株の追い風になるとの見方が出ているのもソフトバンクG株の買いを誘った。
日経平均は15〜16日に1430円上昇した。公明党が自民党との連立から離脱すると伝わったのをきっかけに主力株が売られた14日の下げ幅(1241円)を2日で取り戻した。市場では「高市氏が実際に首相になるなどして政治の不透明感がさらに薄まれば、日経平均は一段高を目指す展開になる」との声が聞かれた。