前日の米国株市場でNYダウが続伸し連日で史上最高値を更新したものの、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数が軟調だったことでやや気迷いムードの強い地合いとなった。日経平均は前日に500円あまりの大幅高をみせていたこともあり、目先利益を確定する動きが上値を押さえる格好に。これまで相場の牽引役を担っていた半導体関連の主力株に売りがかさみ、全体相場の上値を重くした。
一方、外国為替市場で円安が進んだことなどを背景に自動車株に買いが入り相場を支えたほか、鉄鋼株など株価指標の割安なバリュー株の一角が堅調で、日経平均は小幅ながら前日終値を上回って着地している。
個別銘柄への選別色が強く、相場全体でみると方向感がなかった。「割安で出遅れ感の強い日本株への見直し買いが進んでいる」との声があり、トヨタなど自動車関連株が物色された。円相場が1ドル=116円台前半の円安・ドル高となったのも好感された。
保険株や銀行株も高かった。
半面、米長期金利の上昇を背景に割高感が意識される高PER(株価収益率)銘柄への売りが目立った。前日の米ハイテク株安を受け、半導体関連株も軟調だった。米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨(2021年12月開催分)の公表を控え、米金融政策や長期金利の動向を見極めたいとの雰囲気が強く、午後に入ると日経平均の膠着感が強まった。
市場からは「値がさハイテク株が売られる一方、大型主力株が買われ、全体的にはしっかりだ。ただ、FOMC議事録や米経済指標の発表を控え、動きづらい面もある」との声が聞かれた。
JPX日経インデックス400は続伸した。東証株価指数(TOPIX)は続伸し、9.05ポイント高の2039.27で終えた。
東証1部の売買代金は概算で3兆1333億円。売買高は12億5972万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1008、値下がりは1092、変わらずは85銘柄だった。