終値ベースでの2万円割れは昨年来安値を付けた19年1月4日(1万9561円)以来、1年2カ月ぶり。下げ幅は18年2月6日(1071円)以来、2年1カ月ぶりの大きさだった。
前週末の米主要株価指数が下落した上、9日早朝には為替相場が大きく円高・ドル安に振れたため、東京株式市場は朝から全面安となった。米国株の先物が時間外取引で急落し、アジアの主要株価指数も軒並み下落するなど世界的に株を売る動きが強まる中で日本株もじり安歩調となった。
原油安と円高の急速な進行がリスク回避目的の売りに拍車をかけた。
石油輸出国機構(OPEC)とロシアなどの非加盟産油国による協調減産強化に向けた交渉が決裂したうえ、サウジアラビアが4月に増産を検討しているとの報道を受け、米原油先物相場が時間外取引で急落した。産油国の財政悪化によって、株式などの資産を売却する動きが加速するとの警戒感が高まった。東京外国為替市場で円相場が一時1ドル=101円台まで急上昇し、採算悪化懸念から輸出関連の主力株も軒並み売られた。日経平均の下げ幅は1200円を超す場面もあった。
午後に財務省と金融庁、日銀の3者会合が同日夕方に開かれると伝わり、政策対応などの思惑が浮上すると日経平均はやや下げ幅を縮めた。
新型コロナウイルス感染の事態は収束するめどが立たず、企業の先行きの業績が不透明になっている。このため、株価が大きく下げても割安さは感じにくいようで、午後も大幅安で推移する銘柄が多かった。しばらく下値模索は続きそうだ。
JPX日経インデックス400は続落。終値は前週末比731.81ポイント安の1万2524.35だった。東証株価指数(TOPIX)は続落し、終値は82.49ポイント安の1388.97と昨年来安値を更新した。16年11月11日以来、およそ3年4カ月ぶりの安値を付けた。
東証1部の売買代金は概算で3兆4646億円。売買高は25億1847万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は2138と過去最多を記録し、全体の約98.8%を占めた。値上がりは22銘柄、変わらずは3銘柄だった。