前日までの3日間で約2000円を超える急落を演じたことから急ピッチの下落に対する反動や前日の米国株上昇が投資家心理を改善させ、主力株や値がさ株中心に買い戻しの動きが活発化した。ミニSQに絡んだ売買は買い越しだったほか、SQ値を上回っての推移が続いたこともセンチメントを明るくさせている。幅広い銘柄に買いが入り、上げ幅は一時700円に迫った。
ただし、決算ピークのなかで積極的な参加者は限られており、薄商いのなかで先物主導によるインデックス売買の影響は大きかった。
日経平均は前日までの3営業日で2000円超下落していた。25日移動平均からの下方乖離(かいり)も広がり、値ごろ感からの買いが入った。最近の弱気相場をみて空売りしていた短期筋の買い戻しも誘い、午後に入ると上昇幅が拡大した。
市場の懸念材料になっていた米長期金利の上昇が前日に一服して、米株式相場が反発したのも大きかった。日本時間14日の米株価指数先物や中国・上海株などアジア株が上昇したことも、投資家の買い安心感につながった。
ただ市場では「自律反発の域を出ない」との見方も多く、心理的な節目の2万8000円を超えた水準では戻り待ちの売りも出た。国内で新型コロナウイルス対策としての緊急事態宣言の対象に3道県が追加される方針が決まるなど、相場が本格的に戻りを試すには不安が多いとの声もある。
JPX日経インデックス400は4日ぶりに反発。終値は前日比320.45ポイント高の1万6999.37だった。東証株価指数(TOPIX)も4日ぶりに反発し、34.38ポイント高の1883.42で終えた。
東証1部の売買代金は概算で2兆8867億円。売買高は12億6620万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1790と、全体の8割を占めた。値下がりは347銘柄、変わらずは55銘柄だった。