朝方から売り優勢の展開。日経平均は前日まで8営業日で2500円以上の上昇をみせていたこともあり、その反動が出た。前日の欧米株市場が総じて軟調な動きで、米国株市場では新型コロナウイルス感染再拡大の影響で景気回復ペースが鈍化するとの警戒感に加え、FRBによるテーパリング前倒しを意識した売りで主要3指数ともに軟調だった。
香港株市場が軟調に推移したことが買いを手控えさせたほか、あすのメジャーSQ算出を控え、買い戻しが一巡したとの思惑も上値を重くした。
一方、新政権による経済対策への期待感などを背景に下値では押し目買いが入り、下げ幅も限定的なものにとどまった。足元の株価急伸で投資家心理は強気に傾いており、一段の先高観を背景にした押し目買い意欲も旺盛だった。取引終了にかけては、3万円台の維持を意識した断続的な先物買いが入った。次期政権の政策期待も根強く、きょうは原発再稼働に向けた思惑から電力株が物色された。
市場では「日経平均株価は直近で2500円を超える上げをみせただけに、短期的な過熱感を冷ますためにも日柄調整が必要とみられる。また、自民党の総裁選で打ち出される政策への期待も支えとなりそう」との見方があった。
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)はともに9営業日ぶりに反落した。TOPIXは14.68ポイント安の2064.93で終えた。
東証1部の売買代金は概算で3兆761億円と、5日連続で3兆円を上回った。売買高は12億6035万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1363と、全体の約6割を占めた。値上がりは706、変わらずは120銘柄だった。