前日のNYダウが大幅続落したにも関わらず、日経平均は大きく買われる展開となった。
前日の欧米株が軒並み安くリスク回避の売り誘発しやすい環境にあったが、取引が開始されると空売りポジションを組んでいた向きの買い戻しが加速する格好となった。日経平均は1200円あまりの急騰をみせたが、これは一日の上昇幅としては2015年9月9日(1343円高)以来、約4年半ぶりで、歴代9位の大きさとなった。
日銀による上場投資信託(ETF)買いの増額や公的年金による買い観測などから、足元で日本株の売りにくさが意識されている。その中で前日に続き、海外ヘッジファンドがこれまで買い持ちにしていた米国株を売って、売り持ちにしていた日本株を買い戻す動きを加速させたことが、相場急伸に弾みを付けた。指数寄与度の大きいファストリ、ソフトバンクグループ(SBG)、東エレクの3銘柄で日経平均を400円超押し上げた。
新型コロナウイルスの感染拡大による世界景気の悪化懸念は強い。短期的な需給主導で、実体経済の改善を伴っていない株価急伸への懐疑的な見方から伸び悩む場面もあったが、短期筋の買いが株価指数先物経由ですかさず入り、大引けにかけては一段高となった。
ただ、世界的に見ると、新型ウイルスの感染者の増加ペースはまだ鈍っていない。「もう一度大きく下げる局面はあると考えていたほうがいい」ようだ。
JPX日経インデックス400は5日続伸した。終値は前日比389.92ポイント高の1万1938.04だった。東証株価指数(TOPIX)も5日続伸し、41.09ポイント高の1333.10で終えた。
東証1部の売買代金は概算で3兆6191億円。売買高は22億5686万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1748と、全体の約8割を占めた。値下がりは394、変わらずは26銘柄だった。