前日の米国株市場でNYダウやナスダック総合指数などが終盤急速に値を崩した地合いを引き継いで売りに押される展開を余儀なくされた。国内外で新型コロナウイルスの感染者数が増勢にあることで、これを警戒するムードが強い。外国為替市場でもリスクオフの流れを受けて1ドル=104円台を割り込むなどドル安・円高に振れていることから、輸出株などの買い手控え要因となった。
後場に入ると、東京都の新型コロナウイルスの感染者数が500人を超え、過去最多を更新したとの報道を受け、先物を絡めた売りを誘導し日経平均の下げ幅は一時250円を超えた。
全国の感染者数も前日に初めて2000人を超えており、国内の感染状況への不安はじわりと強まっている。都は19日に感染状況の警戒レベルを最高水準に引き上げた。菅義偉首相は19日午前、足元の全国の感染状況を踏まえ「最大限の警戒状況にある」との認識を示した。海外でも新型コロナによる死者数が深刻な水準まで高まった米国では、外出や店舗営業を制限する動きが相次いでいる。
日経平均が歴史的な水準まで上昇していた警戒感から利益確定売りが引き続き出やすかった面もある。中期的には金融政策などを支えに上昇相場が続くとの見方が根強いなか、下値では押し目買いも入り次第に下げ幅を縮小した。
日経平均に比べると過熱感が乏しかった東証株価指数(TOPIX)は大引けにかけて切り返して反発。前日比5.76ポイント高の1726.41で終えた。JPX日経インデックス400も反発し、終値は前日比69.27ポイント高の1万5656.85だった。
東証1部の売買代金は概算で2兆8636億円。売買高は13億6824万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1238と、全体の5割を超えた。値上がりは827、変わらずは111銘柄だった。