前日とは正反対の展開でリスク選好ムードの強い地合いとなった。米国株市場でNYダウが大幅高で過去最高値を更新したほか、ナスダック総合指数も反発に転じたことで市場心理が改善、主力株を中心に広範囲に買い戻される展開となった。新型コロナワクチンの普及期待が一段と高まるなか、米株高に追随する形で海運、鉄鋼、機械といったグローバル景気に敏感なセクターや、半導体などハイテクセクターも上昇して全体指数を押し上げ、上げ幅は一時500円を超えた。
コロナワクチンを巡る好材料が24日に相次ぎ、相場の支援材料となった。米食品医薬品局(FDA)が米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)が開発したワクチンの緊急使用を支持した。米モデルナは自社のワクチンを大幅増産する方針を打ち出した。経済活動の正常化へ前進するとの期待が強まった。
米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は24日、下院委員会での公聴会で「物価目標の達成には3年以上かかるかもしれない」との認識を示したのも材料視された。「実質的に大規模な金融緩和の長期化を宣言した」との受け止めが広がり、相場を押し上げる一因となった。
日本時間25日の米株価指数先物の上昇や、輸出企業の採算改善につながる円安・ドル高の進行も投資家心理を上向かせた。
ただ、日経平均の上げ幅が前日の下落幅を超えた後はやや伸び悩んだ。
景気回復期待が強まり、「商社や非鉄金属など景気敏感株を買う動きが続いた。一方、配当や株主優待の権利取得日を通過した小売株には売り物が目立った。
JPX日経インデックス400は大幅反発。終値は前日比213.38ポイント高の1万7451.15だった。東証株価指数(TOPIX)も大幅反発し、23.16ポイント高の1926.23で終えた。
東証1部の売買代金は概算で2兆9211億円。売買高は14億6095万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1383と、全体の約6割を占めた。値下がりは707銘柄、変わらずは102銘柄だった。