きょうはリスク選好、日経平均は前日の下げ分をほぼ取り戻す形で急速に切り返した。前日の米国株市場ではNYダウ、ナスダック総合株価指数がいずれも小高く引けたことで投資家の不安心理が緩和され、一方で外国為替市場では石破新首相の発言を受け一時1ドル=147円台まで急激に円安方向に振れたことが、半導体関連などを中心に買いを呼び込んだ。
値がさの東京エレクトロンやアドバンテストなど関連株も上昇。日経平均の上げ幅は一時1000円を超えた。
ただ、きょうの日経平均の高値は朝方取引開始直後につけており、その後は狭いゾーンのもみ合いながら、伸び悩み気味となった。緩む場面では買いが入り、おおむね3万8000円台後半でもみ合った。
金融正常化に積極的な「タカ派」とみられていた石破茂首相が2日夜、日銀の植田和男総裁と面会後、早期の追加利上げに否定的な見解を示したことから、株式市場の投資家心理が上向いた。3日の円相場は午前に一時1ドル=147円台前半とおよそ1カ月半ぶりの円安水準となり、144円台前半だった前日夕から3円ほど下落。円安が進むと収益にプラスに働きやすいトヨタやファナックなど輸出関連株が買われた。海外短期筋による株価指数先物への断続的な買いも入り、日経平均を押し上げた。
午後は円相場の下げ渋りとともに、輸出関連株への買いが一服。日経平均は3万8600円前後で推移した。足元で中東情勢の不透明感が強まっているほか、4日には9月の米雇用統計の発表もある。目先は中東や米指標のニュースで市場の状況が一変する可能性があり、積極的な買いを入れにくいとの声が出ていた。石破首相の発言や姿勢が自民党総裁選前から変化したことで「首相の本当にやりたい内容がわかりにくい」との受け止めもあるだろう。
中東情勢の悪化を警戒する向きは多いものの、本日は目立った報道はなかった。イランとイスラエルの地域紛争にとどまるなら問題ないが、ロシアや米国など大国を巻き込んだ紛争に発展すれば、「世界的なリスクオフになりかねない」と警戒する声もあり、今後の情勢に行方には引き続き警戒が必要だろう。