世界的に新型コロナウイルスの感染が深刻化し、英国では新型コロナの変異種による感染が拡大。世界景気の先行き懸念が浮上し、売りが広がった。
売り一巡後は、日銀の上場投資信託(ETF)買い期待が浮上し、次第に下げ渋る展開だった。午前の東証株価指数(TOPIX)の下落率は0.65%と、日銀のETF買い発動の目安とされる0.5%を上回った。
米国で新型コロナウイルス対応の追加経済対策協議が前進し、日経平均は一時2万6900円台まで上伸した。しかし、足元ではコロナ感染が再拡大。英国では感染力が強い可能性がある変異種が新たに見つかり、再びロックダウン(都市封鎖)に陥った。経済停滞の再燃懸念が高まり、投資家心理は前向きになりにくい。
ただでさえ、クリスマス前には海外投資家の動きが鈍る。投資意欲の減退も加われば、市場はエネルギー不足状態になることは確実だ。市場関係者からは、「日経平均の2万7000円突破は簡単ではない」との声が上がっていた。
JPX日経インデックス400は反落。終値は前週末比42.30ポイント安の1万6149.67だった。東証株価指数(TOPIX)も反落し、4.19ポイント安の1789.05で終えた。
東証1部の売買代金は概算で2兆153億円と10月27日以来、およそ2カ月ぶりの低水準だった。売買高は10億4210万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1237と、全体の5割超を占めた。値上がりは842、変わらずは105銘柄だった。