前日の米国株市場でNYダウが400ドルあまりの急落をみせたにもかかわらず、日経平均が頑強な値動きを示した。前日に400円あまりの下落をみせていたことで、きょうはそのショートカバーが入り浮揚力が働いた。
米長期金利の急上昇を背景に外国為替市場でドルを買い戻す動きが活発化し、一時1ドル=133円台後半まで円安が進んだことで、これが主力ハイテク株などにポジティブ材料となった。輸出採算が改善するとの思惑から、前日に売られていた機械株や電気機器株の一角に買いが入った。
決算絡みで明暗を分ける展開だが、中小型株は値を下げる銘柄も目立った。大型株についても、今週末に7月の米雇用統計の発表を控え、FRB高官のタカ派発言なども相次いでいることから、上値を積極的に買い進む動きはみられなかった。
月次売上高を手掛かりにファストリも買われ、1銘柄で日経平均を40円強押し上げた。
米連邦準備理事会(FRB)高官らが金融引き締めに前向きな発言をし、株式市場の楽観論にクギを刺したことが上値を抑えた。台湾を訪問しているペロシ米下院議長と台湾の蔡英文(ツァイ・インウェン)総統との会談には相場の反応は限定的だった。
市場からは「グロース株には短期マネーが流入しているもようだが、決算後に上昇した銘柄に対しては長期投資家の売りが出ている。台湾を巡る地政学リスクについては、意外に冷静だが、一部では先行き米中対立が予想以上に深まるとの懸念も出ている」との声が聞かれた。
東証株価指数(TOPIX)は反発した。終値は前日比5.28ポイント高の1930.77だった。