下落幅は2020年7月以来約半年ぶりとなった28日(437円)を上回った。終値で2万8000円割れとなるのは1月7日以来、3週間ぶり。
NYダウが前日比300ドル高と反発。個人投資家の投機的売買で急騰したゲームストップが一転、急落。ロビンフッドなどオンライン証券が、株価が急伸していた銘柄の取引を制限し売買が抑制された。
個人投資家による投機的な売買の影響で再びボラティリティー(変動率)の高い相場になるとの警戒感で、リスク回避姿勢が鮮明となった。
米株価指数先物が下落し、投資家心理を下向かせた。日本時間29日午後の取引時間中には、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)でダウ工業株30種平均の先物で流動性の高い「Eミニ・ダウ工業株30種平均先物」は前日の清算値に比べて最大で398ドル下げる場面があった。ナスダック先物も大幅安となった。
米国の時間外取引ではゲームストップ株(@GME/U)が6割高と急騰しており、異常な値動きに再び相場が混乱する懸念が強まった。
週末で買いに慎重な雰囲気が強まる中、当面の利益を確保する売り注文が続いた。
市場で主力と位置付けられるIT関連の大型銘柄や株価指数先物の値下がりが目立った。
個人投資家による投機的な売買の過熱が指摘される米国市場で、短期取引に規制が設けられるとの観測も株安要因となった。
市場関係者は「新型コロナウイルス流行の収束後の業績回復を織り込んで株価が高水準にある銘柄は多く、日経平均はさらに下落する余地がある」と警戒している。
JPX日経インデックス400は続落。終値は前日比281.58ポイント(1.69%)安の1万6410.28だった。東証株価指数(TOPIX)も続落し、30.07ポイント(1.64%)安の1808.78で終えた。ともに下落率は20年11月30日以来の大きさ。
東証1部の売買代金は概算で3兆2329億円。売買高は15億7635万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1834と、全体の約8割強を占めた。値上がりは314、変わらずは43銘柄だった。