本日は下値では買いが入るものの総じて様子見ムード、後場終盤に手仕舞い売りが出て日経平均は前日上げた分を帳消しにする形で引けた。
米中貿易協議を巡る不透明感から円が1ドル=108円台半ばまで上昇し、機械や自動車など輸出関連株の利益確定売りにつながった。首相が主催する「桜を見る会」を巡る批判の高まりなどを受け、国内政治が停滞するとの懸念も浮上し、買いが手控えられた。日銀が上場投資信託(ETF)買い入れに消極的になっているとの見方も投資家心理に重荷になった。
前日の米株高に続いて香港や上海の株価指数が上昇し、下値を一方的に探る展開にはならなかった。医薬品をはじめ海外景気の影響を受けにくいディフェンシブ株を中心に買いが入った。個人投資家の一部も押し目買いに動いたようだ。
米中貿易協議は第1段階の合意に向けて、「建設的な議論をしている」との報道がある一方、「中国側は悲観的」とも伝わり、情報は錯綜(さくそう)している。市場で支配的だった楽観ムードが後退する形となり、利益確定売りが広がった。
日経平均は10月上旬以降ほぼ一本調子で上伸し、年初来高値圏で推移。一段の上値を追うには材料不足の中で先行き不透明要因が浮上すれば、売りが出やすくなる。しばらくは好材料が出た個別株で、「幕あいをつなぐのが得策」になりそうだ。
JPX日経インデックス400は3営業日ぶりに反落した。終値は前日比33.30ポイント安の1万5141.27だった。東証株価指数(TOPIX)も反落し、3.99ポイント安の1696.73で終えた。
東証1部の売買代金は概算で1兆9674億円と2日連続で2兆円を下回った。売買高は12億408万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1163、値上がりは888、変わらずは101銘柄だった。