3連休明けとなったきょうの東京株式市場は、朝方は売り買いが交錯し、日経平均は前週10日の終値を上回って推移する場面もあったが、買いは続かずその後は急速に下値を探る展開を強いられた。
前週末の欧州株安に加え、米国株市場では資源・エネルギー関連株などが買われダウは続伸したものの、米金利上昇を嫌気してハイテク株比率の高いナスダック指数が反落。フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)の下げも顕著だった。
米金利の上昇を背景に国内長期金利の指標となる新発10年物国債利回りが上昇し、持ち高調整の売りが広がった。中国景気の先行き不安も相場の重荷となった。
これを受け、東京株式市場でも半導体セクター中心に売り圧力の強い地合いに。外国為替市場で一時145円台前半とドル高・円安が進んだものの、これを好感する動きは限定的だった。好決算銘柄やインバウンド関連の一角が買われたが、指数寄与度の高い主力値がさ株が総じて下落したことで、日経平均の下げが大きくなった。国内でも金利が上昇傾向にあり、リスクオフの地合いを助長している。
14日の取引で国内長期金利が一時0.620%まで上昇した。日銀の長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)の柔軟化をきっかけとした金利の先高観が再び警戒され、株式に売り圧力が強まったとの指摘があった。
前週末の米ハイテク株安を受けて、半導体関連や成長(グロース)株など値がさの主力株に売りが出て相場を下押しした。中国景気の先行き不安を背景に上海や香港株式相場が下落したのも日本株の重荷となった。
市場からは「上海・香港株が安く、時間外取引の米株先物もさえず、買う材料がない。基本的に25日線で上値を抑えられ、75日線が下値サポートラインとして意識されるが、方向性を決定づける材料に欠ける。当面は日柄調整になりそうだ」との声が聞かれた。
国内企業の決算発表が一巡したことから、投資家の関心は米国や中国景気などに移っていくとの見方が大半だ。今週16日には7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨が発表される。9月の利上げの有無を確認する上で注目されている。また、来週23日からはカンザスシティ連銀主催の経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」が開催される。日米の中銀トップによる今後の金融政策運営についてどのような発言が出てくるのかを見定めたいと考える投資家も多い。これら重要イベントを前に積極的な売買を手掛ける向きは少ないほか、夏季休暇入りで市場参加者も減少傾向にあり、買い見送りムードの強い相場展開が続く可能性がありそうだ。
東証株価指数(TOPIX)は反落し、22.62ポイント(0.98%)安の2280.89で終えた。JPXプライム150指数も反落し、10.16ポイント(0.98%)安の1022.65で終えた。