中国の習近平国家主席が10日の演説で「自動車などの輸入関税を引き下げる」と述べたとの内容が伝わると、投資家心理が改善。自動車や電機株などを中心に買いが活発となった。
外資の過半出資を容認するなど市場開放を一段と進める方針を示し、トヨタなどの自動車株が上昇。ファナックやコマツなどの機械、建機株の買いも活発となり、日経平均を押し上げ3月15日以来の高値を付けた。前引け間際には2万1933円99銭(前日比255円73銭高)まで値を上げた。
取引開始直後は日経平均が100円超下げる場面もあった。シリア情勢をめぐる地政学的リスクが意識されたほか、米連邦捜査局がトランプ米大統領の顧問弁護士の事務所などを捜査したとの報道を受けて、前日の米株式相場が伸び悩んだ。さらに外国為替市場で円高・ドル安が進んだため、日本株で売りが先行した。
JPX日経インデックス400は続伸した。終値は前週末比61ポイント高の1万5332.88だった。
東証株価指数(TOPIX)も続伸し、6.06ポイント高の1731.94で終えた。
東証1部の出来高は2兆7034億円。売買高は14億6866万株。騰落銘柄数は値上がり1129、値下がりは873、変わらずは80銘柄だった。
業種別株価指数(33業種)は、鉄鋼、機械、石油・石炭製品などが上昇。医薬品、サービス業などは下落した。
個別では、習国家主席の発言を受け、日立建機など中国関連銘柄が上昇。トヨタ自動車が堅調、ソニー、ファナックも買われた。
丸紅や伊藤忠などの商社株が高く、東京エレクトロン、安川電機も買われた。牧野フライス製作所、ペッパーフード、三井金属、コジマなども上昇した。
半面、花王や資生堂などの内需関連として買われてきた株が下落。
NTTドコモなど携帯3社が新サービスを始めると発表し、競合サービスを手がけるLINEが午後に一段安となった。
任天堂が軟調、小野薬品工業が大幅安となった。ヨシムラ・フード、高島屋も売られた。
東証2部株価指数は前日比9.38ポイント安の7091.41ポイントと反落した。
値上がり銘柄数は226、値下がり銘柄数は200となった。
個別では、日本食品化工、スーパーバッグ、バナーズなど19銘柄が年初来安値を更新した。ぷらっとホーム、ブルボンが売られた。
半面、Jエンジンが船舶の環境規制に対応するシステムの初号機を納入と発表され、一時ストップ高となった。アルトナー、ダイナックなど11銘柄が年初来高値を更新し、グッドコムアセット、チャーム・ケア、アイスタディが買われた。