きょうの東京株式市場は総じてリスクを取る動きが優勢となった。前週末に発表された3月の米雇用統計は、非農業部門の雇用者数の伸びが市場予想並みだった。同雇用者数は前月比23万6000人増と、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(23万8000人増)とほぼ同水準で、足元で広がっていた米景気不安がやや後退した。
事前の市場コンセンサスとほぼ一致したことから過度な不安心理が後退、米雇用統計発表前にショートポジションが組まれていた景気敏感株などに買い戻しが入った。海運や鉄鋼株が買い人気を集め全体相場を押し上げる格好に。内需の小売関連株なども高い銘柄が多かった。陸運や百貨店などの関連株も上昇が目立った。
外国為替市場で1ドル=132円台後半までドル高・円安が進んだことなども、輸出セクターを中心に追い風となった。ただ、今週水曜日(12日)に3月の米CPI発表を控え、買い一巡後は伸び悩む展開となっている。値上がり銘柄数はプライム市場の7割強を占めたが、全体売買代金は前週末に続き2兆円台を割り込んだ。
買い一巡後の上値は重かった。10日の中国・上海株式相場が朝高後に下げに転じ、投資家心理の重荷となった。日経平均は日足チャート上の25日移動平均(前週末時点で2万7740円)に近づくと売りに押された。
東証株価指数(TOPIX)は続伸した。終値は前週末比11.09ポイント(0.56%)高の1976.53だった。
東証プライムの売買代金は概算で1兆9114億円。売買高は8億2018万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1332。値下がりは415、変わらずは88銘柄だった。