朝方からリスク回避目的の売りが顕著だった。前日の米国株市場ではFOMC通過後にハイテク株中心に値を崩しNYダウ、ナスダック総合株価指数ともに下落。FOMCでは事前の予想通り追加利上げは見送られたものの、パウエルFRB議長の記者会見がタカ派的とみられ、米長期金利の上昇を横目に売りに押される展開となった。東京市場でも国内長期金利の上昇がグロース株に逆風となり、全体指数を押し下げる格好となった。取引時間中は中国の景気懸念を背景に香港ハンセン指数などアジア各国・地域の株価指数が総じて軟調に推移したことも重荷となり、午後に日経平均の下げ幅は470円を超える場面があった。
米連邦準備理事会(FRB)は20日まで開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で、2会合ぶりに政策金利の据え置きを決めたが、年内の追加利上げや2024年以降の利下げペースの鈍化が強く意識される内容だった。市場では想定以上に「タカ派」だったとの受け止めが多く、海外投機筋などが日経平均先物に断続的な売りを出した。
FOMCが通過し、市場の関心は日銀の金融政策決定会合となる。金融政策については、大規模な金融緩和政策の現状維持が大方の見方となっている。注目はその後に行われる植田和男総裁の記者会見での発言内容になるだろう。
米長期金利が約16年ぶりの水準に上昇し、20日の米株式市場ではハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数の下落が目立った。この流れを受け、東京株式市場でもアドテストなど値がさの半導体関連株が軟調に推移し、日経平均を押し下げた。
21日の東京外国為替市場で円相場が一時1ドル=148円台半ばまで下落した。円安・ドル高の進行を受けて輸出関連株の一角に買いが入り、日経平均は下げ渋る場面もあった。ただ、財務省による円買い介入への警戒感も根強く、円安を好感した株買いは続かなかった。