取引時間中に下げ幅が1100円を超え、2万8000円を下回る場面もあった。
セントルイス連銀総裁が22年中の利上げの可能性について言及し、金融緩和政策の方向転換が意識された。米国株市場ではNYダウが500ドルを超える下げとなり、日経平均もこれに追随したが、先物を絡めた売りで下げ幅は想定以上に大きくなった。
米国では10年債や30年債の利回りが低下し、5年債利回りが上昇するフラットニングが進んでいる。景気鈍化の兆しとして警戒感が高まり、景気過熱や物価上昇を前提にした「リフレトレード」の修正を余儀なくされた投資家の巻き戻しの動きが東京市場にも波及したとの見方があった。
国内ではきょうから新型コロナウイルスワクチンの職場接種が本格的に始まった。また、東京や大阪などで新型コロナウイルス感染を受けた緊急事態宣言が解除され「まん延防止重点措置」に移行したが、これをポジティブ視する動きは見られなかった。
空運株など一部にはワクチン期待の買いも入ったが相場を支える材料にはならなかった。
市場からは「下げ幅が大きく、前週末のNYダウ安と時間外のダウ先物安とを合わせたようなイメージだ。5月安値をにらみ押し目買いゾーンにあるが、22日にパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の議会証言を控え、あす様子見になりやすい」との声が聞かれた。
JPX日経インデックス400は大幅に4日続落し、終値は前週末比445.69ポイント安の1万7119.94だった。東証株価指数(TOPIX)は大幅に3日続落し、47.11ポイント安の1899.45で終えた。1900を下回ったのは約1カ月ぶり。下落幅は約4カ月ぶりの大きさだった。
東証1部の売買代金は概算で2兆9466億円。売買高は13億108万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は2044と、全体の93%を占めた。値上がりは123、変わらずは26銘柄だった。