
前日までの6日続伸で3000円近く上昇し、連日で過去最高値を更新していたとあって、短期的な過熱を警戒した利益確定売りが優勢だった。
この日の日経平均は下落スタートとなった後、ほどなくして4万3000円台を割り込み、そのままジリ安基調を続けた。下げ幅は600円を超え、前日の上昇分を帳消しにした。
前日まで6連騰で、更に史上最高値を連日で更新していたこともあって、短期的な過熱感が強く意識されていた。こうしたなか、ベッセント米財務長官が米メディアのインタビューで日銀の金融政策に関し、インフレの抑制で後手に回っている、との見解を示した。これを受けて日銀の早期利上げ観測が広がり、ドル円相場は一時1ドル=146円台前半までドル安・円高が進行し、株式相場の重荷となった。自動車など輸出関連株や半導体関連株など、幅広く利益確定売りが優勢となった。半面、金利上昇メリットの銀行株は逆行高となった。決算発表を受けた個別株物色も活発な状況が続いた。
日経平均はチャート上で25日移動平均からの上方乖離(かいり)率が6.5%と「買われすぎ」を示す5%を超えるなど、テクニカル指標の多くが相場過熱を示す水準にあった。前日の米株式相場は上昇したが特に好感した買いは波及せず、日経平均は朝方から軟調な推移が続いた。外国為替市場で円相場が対ドルで強含んだことも、海外短期筋による株価指数先物への売りに拍車をかけた。
日経平均は後場寄り後にきょうの安値を付けた後は、安い水準での一進一退が続き、下値では根強い先高観を背景にした押し目買いもみられた。市場では「きょう、あすは短期的に調整する可能性はあるものの、あくまで利益確定の売りに過ぎない。投資家の買い意欲は引き続き強く、来週に米国で開催予定のジャクソンホール会議までは一進一退の相場展開が続くのではないか」との声が聞かれた。