前日の欧米株市場が揃って大きく上昇したことを受け、朝方はリスクオンムードが強かった。米国株市場では1兆9000億ドル規模の追加経済対策が成立したことや、ワクチン普及加速への期待感が追い風となる一方、米長期金利の上昇が一服したことを受け広範囲に買われ、東京株式市場もこれに追随する動きが期待された。
しかし、日経平均は寄り付き早々に300円以上の上昇をみせたものの、その後は漸次値を消す展開。後場に入ると先物主導で一段安となった。
中国・上海株式相場や日本時間同日午後の米株価指数先物が軟調となったことなどを受け、景気敏感株などに利益確定売りが出て指数を押し下げた。
米長期金利が高止まりしていることの警戒感も強い。「米長期金利が急速に上昇したことは機関投資家に動揺を与えた。落ち着くまで株価が上昇したところで利益確定売りを出したい投資家は多い」と指摘した。
市場からは「これまで一本調子で上がってきただけに当然の調整とみている。米追加経済対策法案が成立する見通しとなり、業績回復期待やコロナワクチンの話などが出ているが、材料出尽くしの面もあり、日柄調整に移るのではないか。
ただ、基本的に過剰流動性は続いており、上昇トレンドに変わりはない」との声が聞かれた。
JPX日経インデックス400は反落し、終値は前日比74.75ポイント安の1万7137.31だった。東証株価指数(TOPIX)は反落し、7.63ポイント安の1894.85で終えた。
東証1部の売買代金は概算で2兆6132億円。売買高は12億9267万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1346と、全体の約6割を占めた。値上がりは745、変わらずは103だった。