気迷いムードのなかも日経平均は上値指向となった。前日の欧州株市場がほぼ全面高となったほか、米国株市場ではNYダウが200ドル近い上昇で3日続伸となったことで市場センチメントが改善した。米国では米銀シリコンバレーバンク(SVB)の引受先が決まり金融セクターに対する過度な不安心理が後退している。
銀行株で構成するKBWナスダック銀行株指数が2.5%高で終えた。28日の東京株式市場でも三菱UFJなど銀行株には買いが集まった。銀行が融資基準を厳格化して米景気が悪化するといった懸念が和らいだことも景気敏感株の支えとなった。
ただ、ナスダック総合株価指数は下落して引けており、半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も安かったことから、東京株式市場でも半導体関連株には売り優勢の銘柄が目立った。他方、メガバンクなど銀行株が買われたほか、原油市況上昇を受け資源関連株に高い銘柄が多くなった。
SVB破綻を巡っては米上院銀行委員会が28日から米連邦預金保険公社(FDIC)や米連邦準備理事会(FRB)高官らの公聴会を開くとあって、積極的に上値を追う動きは限られた。半導体関連など値がさの成長(グロース)株が売られたほか、28日の外国為替市場で円相場が円高・ドル安に振れたことも輸出関連銘柄を中心に重荷となり、日経平均は下落に転じる場面もあった。
東証株価指数(TOPIX)は続伸し、前日比4.83ポイント(0.25%)高の1966.67で終えた。
東証プライムの売買代金は概算で2兆3613億円。売買高は10億5418万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は684と、全体の4割弱にとどまった。値下がりは1046、変わらずは106銘柄だった。