前日のNYダウ工業株30種平均の反落や、市場予想を下回る6月の機械受注統計を嫌気した売りが先行した。
内閣府が発表した6月の機械受注統計は、民間設備投資の先行指標である「船舶、電力を除く民需」の受注額(季節調整済み)が市場予想以上に落ち込んだ。安川電など設備投資関連の一角が売られた。
日米両政府は日本時間10日に閣僚級の貿易協議「FFR」の初会合を開く。米通商政策の先行きを見極めたいとして買いを手控える投資家は多く、トヨタ、ホンダなど自動車株が軟調だった。
ただ、中国株が堅調に推移したため「下値不安が薄らいだ」といい、日本株は次第に底堅くなった。午後には、為替が朝より円安方向に戻したため買い戻しも入り、日経平均は前日終値付近まで上昇した。
市場では「手掛かり材料に乏しいなか、好業績期待を背景に押し目を拾う動きが出て、下げ渋ったようだ。下値は堅そうだが、きっかけ待ちで当面は小動きの展開を強いられそう」との声も聞かれた。
東証株価指数(TOPIX)は続落し前日比4.55ポイント安の1740.16で終えた。JPX日経インデックス400も続落。終値は前日比47.68ポイント安の1万5394.78だった。
夏季休暇シーズンでもあり、東証1部の売買代金は2兆1833億円にとどまった。売買高は13億1009万株。東証1部の値下がり銘柄数は1157、値上がりは849、変わらずは98だった。
業種別株価指数(33業種)は、石油・石炭製品、建設業、非鉄金属の下落が目立った。上昇は化学、水産・農林業、空運業など。
個別では、スズキが大幅安、トヨタ自動車も軟調。テルモ、大和ハウスが安い。ソフトバンクも下げた。SUMCOが売りに押され、村田製作所も値を下げた。住友金属鉱山、JXTGホールディングスも安い。ニチイ学館が急落、オリジン電気は一時ストップ安に売り込まれた。三井住友建設、リゾートトラスト、日本エスコンなども大幅安となった。
一方、資生堂が大幅高で切り返し、キーエンスも買い優勢。昭和電工、東海カが高い。任天堂も上げた。ゲオホールディングス、宮地エンジニアリンググループ、渋谷工業が値幅制限いっぱいに買われ、テイカも一時ストップ高。テイクアンドギヴ・ニーズが急騰、レーザーテック、レオン自動機も値を飛ばした。パイオニアも活況高となった。
東証2部株価指数は前日比54.38ポイント安の7259.08ポイントと反落した。
出来高9395万株。値上がり銘柄数は184、値下がり銘柄数は241となった。
個別では、ブルドックソース、エスビー食品、ダイナパック、西菱電機、川上塗料など19銘柄が年初来安値を更新。クロスキャット、高松機械工業、ヨネックス、浜井産業、阪神内燃機工業が売られた。
一方、SECカーボンがストップ高。ビケンテクノは一時ストップ高と値を飛ばした。パス、兼房、キクカワエンタープライズ、パルステック工業など6銘柄は年初来高値を更新。ビート・ホールディングス・リミテッド、省電舎ホールディングス、日本伸銅、RVH、ネットマーケティングが買われた。