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【大引け概況】
10日の日経平均株価は反発し、前日比95円60銭高の2万1551円98銭で終えた。
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朝方は10日から始まる米中閣僚級協議の先行きを懸念した売りに押されたが、その後は協議の進展を期待させる報道が出たことを好感し短期筋が株価指数先物に断続的な買いを入れ現物株指数を押し上げた。ファストリなど値がさ株に買いが入ったことも相場を押し上げた。
 
米紙ニューヨーク・タイムズ電子版は日本時間10日午前、「米トランプ政権が米国企業に中国通信大手である華為技術(ファーウェイ)に機密上重要ではない製品の供給を近く認可する」と報道した。米中協議進展の思惑が強まり、電気機器や半導体関連株の一角が上昇。一時145円まで上げ幅を広げた。
 
後場に入り、手掛かり難から模様眺めムードが広がり、動意に欠ける動きとなったものの、しっかりした展開だった。為替市場は、ドル・円相場が1ドル=107円50銭前後(9日終値は107円21-22銭)で、朝方から円安方向に振れた後は、小動きだった。米中協議の結果を見極めたいとの様子見姿勢が広がった模様だ。
 
大型株が買われる一方、中小型株は売り物が目立ち、東証1部全体では値上がりする銘柄より値下がりする銘柄が多かった。「買値を上回っている銘柄を売って様子見に入る投資家が多かった」という。
このため、市場関係者からは「日経平均は上昇したが、雰囲気は弱気相場だった」との声が聞かれた。
 
JPX日経インデックス400は反発し、終値は前日比10.88ポイント高の1万4138.80だった。東証株価指数(TOPIX)は小幅に続落し、0.28ポイント安の1581.42で終えた。
 
東証1部の売買代金は概算で1兆8158億円。売買高は10億6911万株だった。
東証1部の値上がり銘柄数は595と全体の28%だった。値下がりは1458と全体の68%を占め、変わらずは100だった。
 
業種別株価指数(全33業種)は電気機器、小売業、化学が上昇し、その他製品、銀行業、保険業は下落した。
 
個別では、旭化成の吉野彰名誉フェローが、ノーベル化学賞を受賞したことを受けリチウムイオン電池関連株が物色された。旭化成は商いを伴い上昇したほか、古河電池、戸田工業が買われた。ソフトバンクグループやファーストリテイリング、信越化やアドテスト、村田製作所、東京エレクトロン、ファミマ、KDDI、花王も買われた。また、大型で猛烈な台風19号が接近していることから電線地中化や復興関連株が物色された。
 
半面、任天堂やトヨタ自動車、ソニーが安く、三菱UFJフィナンシャル・グループやみずほフィナンシャルグループなどが軟調。ファナックや安川電機が値を下げた。バンナムHDやコナミHDのゲーム株が安い。第一三共、資生堂も売られた。

 
東証2部株価指数は前日比4.92ポイント高の6692.05ポイントと5日続伸した。
出来高7672万株。値上がり銘柄数は174、値下がり銘柄数は212となった。
 
個別ではイトーヨーギョーがストップ高。バナーズは一時ストップ高と値を飛ばした。日本ケアサプライ、広栄化学工業、旭コンクリート工業、ベルテクスコーポレーション、レオクランなど9銘柄は年初来高値を更新。黒田精工、西芝電機、ビート・ホールディングス・リミテッド、アドテック プラズマ テクノロジー、マナックが買われた。
 
一方、魚喜、ダイハツディーゼル、リヒトラブ、アジア航測、花月園観光が年初来安値を更新。アイケイ、JMACS、サイバーステップ、天昇電気工業、ハイパーが売られた。