朝方は10日から始まる米中閣僚級協議の先行きを懸念した売りに押されたが、その後は協議の進展を期待させる報道が出たことを好感し短期筋が株価指数先物に断続的な買いを入れ現物株指数を押し上げた。ファストリなど値がさ株に買いが入ったことも相場を押し上げた。
米紙ニューヨーク・タイムズ電子版は日本時間10日午前、「米トランプ政権が米国企業に中国通信大手である華為技術(ファーウェイ)に機密上重要ではない製品の供給を近く認可する」と報道した。米中協議進展の思惑が強まり、電気機器や半導体関連株の一角が上昇。一時145円まで上げ幅を広げた。
後場に入り、手掛かり難から模様眺めムードが広がり、動意に欠ける動きとなったものの、しっかりした展開だった。為替市場は、ドル・円相場が1ドル=107円50銭前後(9日終値は107円21-22銭)で、朝方から円安方向に振れた後は、小動きだった。米中協議の結果を見極めたいとの様子見姿勢が広がった模様だ。
大型株が買われる一方、中小型株は売り物が目立ち、東証1部全体では値上がりする銘柄より値下がりする銘柄が多かった。「買値を上回っている銘柄を売って様子見に入る投資家が多かった」という。
このため、市場関係者からは「日経平均は上昇したが、雰囲気は弱気相場だった」との声が聞かれた。
JPX日経インデックス400は反発し、終値は前日比10.88ポイント高の1万4138.80だった。東証株価指数(TOPIX)は小幅に続落し、0.28ポイント安の1581.42で終えた。
東証1部の売買代金は概算で1兆8158億円。売買高は10億6911万株だった。
東証1部の値上がり銘柄数は595と全体の28%だった。値下がりは1458と全体の68%を占め、変わらずは100だった。