前週末21日の大幅な米株高を受け、東京株式市場でも主力株を中心に買いが先行した。上げ幅は一時400円を超えた。一方、取引開始後、中国の新指導部の正式発足を受けた香港株が大幅に下げたことなどが重しとなり、日経平均は前場の中頃からは売りに押される場面が目立った。
ウォールストリート・ジャーナル紙が、連邦準備制度理事会(FRB)が11月連邦公開市場委員会(FOMC)で0.75ptの利上げを行った後、利上げペース減速を協議する可能性を報じたため、12月FOMCでの利上げ幅縮小の思惑が強まり、NYダウ工業株30種平均など主要株価指数が大幅高となった。週明けの東京株式市場でも値がさのグロース(成長)株などに買いが膨らんだ。
中国共産党の習近平総書記(国家主席)が23日、3期目の最高指導部を発足。指導部の大多数が習氏の側近らで占められることになった。統制強化などに対する思惑から、香港ハンセン指数が急落し、日本株の重荷となった。
報道により金融引き締めへの行き過ぎた懸念が修正されただけで、FRBが利上げを進める方針は変わらない」など慎重な見方も多かった。米株価指数先物が日本時間24日の取引で上げ幅を縮めると、日経平均も伸び悩んだ。
市場からは「習近平総書記の3期目突入で香港に圧力が掛かるとの読みから香港株安が進み、心理的な重しになっている。米株先物の上値が抑えられているのも買い気を削いでいる。トレンドを変えていくだけの材料は見当たらず、日経平均は目先2万7000円近辺で値固めか」との声が聞かれた。
東証株価指数(TOPIX)は3営業日ぶりに反発した。終値は前週末比5.21ポイント(0.28%)高の1887.19だった。
東証プライムの売買代金は概算で2兆6027億円。売買高は10億3097万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は904。値下がりは858、変わらずは75銘柄だった。