前日の米株式相場が急伸した流れを受けて短期筋の買い戻しなどが膨らみ、朝方から全面高の展開となった。アジア株の大幅な上昇も投資家心理を一段と上向かせ、上げ幅は900円を超える場面があった。
13日に発表された9月の米消費者物価指数(CPI)は市場予想を上回り、高水準のインフレが続いていることを示す内容となった。ただ、同日のNYダウ工業株30種平均は安く始まったものの大幅高に転じて終えた。東京市場でも、CTA(商品投資顧問)など海外の短期筋が先物の買い戻しを急ピッチで進めた。
日経平均は米CPIを警戒して13日までの4営業日で1000円超下げており、イベント通過のあく抜け感から売り方の買い戻しが入りやすかったとの指摘もあった。
値がさ株のファストリは前日発表の決算を受けて急伸し、全面高となった上に、寄与度の大きいファーストリテイリングが決算を材料に急伸したことから、1銘柄で日経平均を220円程度押し上げた。指数は高く始まった後も上値を伸ばす展開。節目の2万7000円を上回って2万7100円台まで上昇し、前場のうちに上げ幅を900円超に広げた。勢いの良かった前場とは雰囲気が変わり、後場は上値が重くなった。ただ、大きく崩れることはなく、終値でも2万7000円を上回った。
外国為替市場で円相場が1ドル=147円台まで下落し、輸出企業の採算が一段と向上するとの見方から輸出関連株にも買いが目立った。
なお、この日算出の日経平均先物ミニ・オプション10月限SQ(特別清算指数)値は2万6666円31銭。
市場からは「ショートカバー(買い戻し)が主体だ。米9月CPIへの警戒があっただけにイベント通過で目先的なアク抜け感が出たようだ。もっとも、日経平均2万7000円回復後にさらに上を買っていくにはそれなりの支援材料が必要だろう」との声が聞かれた。