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【大引け概況】
30日の日経平均株価は続落し、前日比91円63銭安の2万9452円66銭で終えた。3日以来の安値となる。

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前日の欧州株市場が高く、米株市場でもNYダウが下げ止まったことから投資家心理が改善し、リバウンドが期待される状況にあった。前日は600円以上の下げをみせていたこともあり、その反動による買い戻しが予想されたが、実際、取引開始後は上値の重さが意識される地合いだった。
岸田新政権への期待や、緊急事態宣言の全面解除に伴う経済正常化期待はプラス材料となっているが、午前中に発表された中国の経済指標が市場予測を下回る内容だったことなどが嫌気された。日経平均は一時200円を超える下落をみせたが、後場は押し目買いにプラス圏に浮上する場面もあった。取引終盤は日経平均の銘柄入れ替えに絡む現物売り圧力などが影響して再びマイナス圏に沈んだ。
 
中国の経済指標の悪化を材料に売りが出た。日経平均の銘柄入れ替えに伴う資産配分調整による需給悪化も相場を押し下げた。ただ、10月1日からの緊急事態宣言解除に向け経済正常化への期待が根強く、上げに転じる場面があった。
日本時間30日午前に中国国家統計局と中国物流購入連合会(CFLP)が発表した9月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)が節目の50を下回ると、日本株に売りが広がった。日経平均は一時200円超安い2万9300円台前半まで下げた。
 
ただ、陸運株や飲食関連株が上昇するなど経済正常化を見据えた物色が活発で、相場全体の支えとなった。新しい自民党の総裁に岸田文雄氏が選出され、相場全体には目立った影響はなかったが政策の恩恵を受けるとみられている保育関連やデジタル関連に買いが入った。
 
市場では「足元では調整場面となっているものの、押し目を拾う動きもみられるなど、相場の基調の強さに変化はない」との声が聞かれた。

JPX日経インデックス400、東証株価指数(TOPIX)は続落した。TOPIXは8.13ポイント安の2030.16で終えた。
 
東証1部の売買代金は概算で4兆3914億円と、5月27日以来およそ4カ月ぶりの高水準だった。日経平均の銘柄入れ替えに伴う売買が膨らんだ。売買高は15億5125万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1298、値上がりは789、変わらずは87銘柄だった。
 

業種別株価指数(33業種)は、海運業、輸送用機器、ゴム製品、電気・ガス業の下落率が大きかった。上昇は陸運業、医薬品など。
 
個別では、日本郵船、商船三井、川崎汽船など海運株が大きく株価水準を切り下げたほか、レーザーテック、東京エレクトロンなど半導体製造装置関連株も売られた。信越化学工業が安く、ファナックも軟調だった。三菱UFJフィナンシャル・グループなどメガバンクも冴えない。グローブライド、明和産業、井筒屋は大幅安となった。ソフトバンクグループ、トヨタ、東京電力ホールディングスも下落した。
 
半面、村田製作所、キーエンス、任天堂の3銘柄は日経平均入れ替えに伴うリバランスの買いで上昇、ファーストリテイリングも4%高となり、1銘柄で日経平均を約122円押し上げた。塩野義製薬が買いを集め、JR東日本も大きく上昇した。一蔵が急騰、エアトリも値を飛ばした。日本電気硝子、KNT−CTホールディングスなども大幅高。塩野義、オリンパス、京セラ、チェンジも高い。
 
東証2部株価指数は前日比42.36ポイント安の7760.81ポイントと3日続落した。
出来高1億2515万株。値上がり銘柄数は175、値下がり銘柄数は227となった。
 
個別ではトーヨーアサノ、ショクブンが年初来安値を更新。ASTI、玉井商船、ニッチツ、大運、杉村倉庫が売られた。
 
一方、鉄人化計画、日本和装ホールディングス、アヲハタ、オーウイル、アールエイジなど15銘柄が年初来高値を更新。SIG、北日本紡績、富士ソフトサービスビューロ、倉庫精練、青山財産ネットワークスが買われた。