前日に続きリスクオフの流れに晒された。前日の欧米株市場がほぼ全面安の展開で、米国株市場ではハイテク株への売りがかさみ、ナスダック総合株価指数の下げが目立った。注目されたFOMC議事要旨(3月開催分)はバランスシートの縮小や利上げ強化などタカ派色の強い内容で、市場心理を冷やす形となった。
これを受け東京株式市場でも半導体関連などをはじめ広範囲に売りが及んだ。中国ではゼロコロナ政策によりロックダウンが続いており、これが日本の製造業に及ぼす影響についても警戒されている。
日経平均株価は前場に550円近い下げをみせた。後場は値ごろ感からの押し目買いが入り下げ渋ったものの、終値で2万7000円台を割り込んだ。プライム市場全体の9割近い銘柄が下落する状況となった。
中国では新型コロナウイルスの感染が広がる上海でロックダウン(都市封鎖)が続いている。製造業を中心に生産や販売の下振れしかねないとの見方も日本株の重荷となった。
新年度入りで、国内機関投資家のリバランス(資産配分の見直し)に伴う売りも観測された。一方、医薬や食品など世界経済の影響を受けにくいディフェンシブ銘柄の一部に買いが入り、下値を支えた。
市場では、「円安や原料価格の上昇による企業業績への影響、ウクライナ情勢など、不透明要因が多く長期的な資金が入りづらい状況にあり、市場参加者の減少から値動きが荒くなる場面も多くなりそう」との声が聞かれた。