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【大引け概況】


23日の日経平均株価は小幅ながら3営業日ぶりに反落し、終値は前日比29円38銭(0.08%)安の3万6517円57銭だった。

 
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前日まで日経平均が大幅高した反動で利益確定の売りが優勢となった。日銀金融政策決定会合では大規模金融緩和策の維持を決定、マイナス金利の解除は見送られたが、事前に織り込みが進んでいたことで利益確定売りを誘発した。引け後に植田日銀総裁の記者会見を控え、マイナス金利解除に向けた動きが示唆される可能性が警戒された面もあるようだ。ただ、一時は買いが優勢で、決定会合の結果発表直後の後場寄りに、日経平均は430円あまりの上げ幅で3万7000円台目前まで上値を伸ばす場面もあった。
 
結果発表直後は外国為替市場で当面は円安・ドル高基調が続くとの見方から主力の輸出関連株が買われ、トヨタは株式分割考慮後の実質的な上場来高値を更新した。
だが、現状維持は織り込み済みだったうえ、金融正常化への地ならしが進んでいるとの解釈が出たことから、心理的節目の3万7000円を目前に一転して利益確定売りが優勢になった。日経平均は33年11カ月ぶりの高値圏にあり、過熱感も意識されやすかった。
 
同日日銀が公表した「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」で、2%の物価安定目標について「こうした見通しが実現する確度は、引き続き、少しずつ高まっている」との表現が加わった。「日銀は想定ほど『ハト派』ではなく、金融正常化の道筋が近づいていることを印象づけた」との受け止めが株売りを促した面があった。大引け後の日銀の植田和男総裁の記者会見で、決定内容や今後の政策運営についての発言内容を見極めたいとの雰囲気も広がった。
 
日銀会合の結果発表を機に流れが変わった。ただ、出てきた内容が失望を誘ったというよりは、発表前に楽観に傾きすぎた分、発表後はその反動が強めに出たという印象が強い。高値(3万6984円)から安値(3万6436円)までは550円近く水準が切り下がっているが、それでも前日比ではわずか29円の下落にとどまった。時々過熱感を削いでいかないと上昇相場は継続しづらい。

また、日銀会合はノーサプライズであったとしても注目のイベントではあり、きょうの値動きが荒くなることは仕方ない。終わってみれば、急失速したにもかかわらず大幅安にはならなかった。このことは、まだ上昇相場が終わってはいないとの期待を高める。あすはイベント通過による不透明感の後退を受けて、仕切り直しの買いが入りやすくなると予想する。
 


 
東証株価指数(TOPIX)は3営業日ぶりに反落した。終値は2.85ポイント(0.11%)安の2542.07だった。JPXプライム150指数も3営業日ぶりに反落し、0.59ポイント(0.05%)安の1144.07で終えた。
 
東証プライムの売買代金は概算で4兆9562億円、売買高は16億4569万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1046。値上がりは557、横ばいは55だった。


業種別株価指数(33業種)は電気・ガス業、陸運業、海運業などが下落。上昇は精密機器、医薬品など。

個別では、前場買われ日経平均をけん引していた東エレク、アドバンテスト、信越化など半導体株が下落したほか、三井金属、SUMCO、TOPPANホールディングスもさえなかった。また、京セラの社長が一部売却を議論と伝わったことからKDDIやソフトバンクグループ(SBG)、ソニーGや三菱商が下落した。
 
 一方、富士電機、ニデック、富士通、オムロン、村田製作所など電気機器セクターの上げが目立ったほか、ファストリ、ファナック、京セラ、エムスリーも買われた。テルモやデンソー、花王が上昇した。富士電機や横河電が買われた。日経平均採用以外の銘柄では、さくらインターが上げ幅を拡大し大商いとなった。