朝方はリスク回避ムードが強かった。前日の欧州株市場が総じて安く、米国株市場でもNYダウが200ドル近い下げとなったことで、利益確定の動きを誘発したが、売り一巡後に日経平均は一貫して水準を切り上げた。海外投資家とみられる買いが先物を絡めて流入し、後場に入ると上げ幅は300円を超える場面もあった。
今週末に予定されるメジャーSQ算出を前に、インデックス的な買い仕掛けも一部で観測された。個別株ベースでは値下がり銘柄数も多く、前引け段階では日経平均は高かったにもかかわらず、値下がり銘柄数が値上がりを大幅に上回っていた。大引け時点では値上がり数が多くなったものの、全体の5割強を占めるにとどまった。全体売買代金も3兆4000億円台で、高水準ながら前日比では4000億円以上減少した。
ファストリなど大型株への買いが指数の上昇をけん引した。市場では、今週末の株価指数先物・オプション6月物の特別清算指数(SQ)算出に絡んだ思惑的な買いが入ったとの見方もあった。
前日の米株安を受けた利益確定売りが先行し、日経平均は朝方に280円超下げる場面があった。ただ、その後は先物主導で急速に下げ渋ったため、きょうの相場下落を見込んでいた売り方が買い戻しを迫られ、相場上昇を加速させた面もあったとみられる。取引時間中の高値と安値の差である日中値幅は600円60銭で、1月18日(604円84銭)以来およそ5カ月ぶり大きさだった。
市場からは「強いの一言だ。下がれば買いが入り、なかなか調整しない。さすがに機関投資家のなかには買わざるを得ないところもあろう。大型株中心に物色されているが、大きく横に広がり、業績悪化銘柄までも買われてくるようなら、先行き警戒が必要だろう」との声が聞かれた。