イタリアや中東諸国など、アジア地域から地理的に離れた場所でも新型コロナウイルスの感染拡大が確認され、24日の海外市場では主要株価指数が軒並み大幅に下落した。
これを引き継ぐ形で東京株式も朝から業種を問わず売られた。売り一巡後は投機筋による買い戻しが入ったが、日経平均株価の戻りは鈍く、午後も大幅安で推移した。
朝安後はやや下げ幅を縮めた。市場では「個人投資家が短期の株価の戻りを期待して、相場の流れに逆らう『逆張り』で買いを入れていた」との見方があった。ただ新型肺炎への警戒感は根強く、買いの勢いは限定的だった。日経平均の下げ幅は18年12月25日以来(1010円)の大きさ。
全面安の状態の中、弱さが目立った業種の一つがインバウンド(訪日外国人客)関連。中国が海外への団体旅行を禁止していることに加え、「国内でも感染者が増えており、日本が危険地域との印象が強まれば、影響は長引く」との指摘もあった。
日経平均は寄り付き直後に1051円安の2万2335円まで下げた。新型肺炎の感染拡大で前日の欧米市場を中心に主要株価指数が軒並み下落し、「世界株で運用する投資家が保有比率を減らす目的の売りを出した」。買い持ち専門の海外投資家がトヨタなど主力銘柄を中心に売りを出したとの見方や、ヘッジファンドなど短期筋による先物売りが優勢だったとの声が聞かれた。
JPX日経インデックス400は続落。終値は前週末比487.95ポイント安の1万4536.05だった。東証株価指数(TOPIX)は続落し、55.74ポイント安の1618.26で終えた。
東証1部の売買代金は概算で3兆3101億円と、特別清算指数(SQ)算出に絡む売買が膨らんだ19年12月13日以来の高水準だった。売買高は17億7802万株。東証1部の値下がり銘柄数は2129と、全体の98.5%を占める全面安の展開だった。値上がりは26、変わらずは5だった。