きょうは買い優勢のなかも前場は気迷いムードが漂っていた。前日の米国株市場では3月の米消費者物価指数(CPI)の発表を10日に控え、様子見のなかNYダウ、ナスダック総合株価指数ともに小幅な値動きに終始しており、東京株式市場でも方向感がつかみにくかった。ただ、米長期金利の上昇を背景に外国為替市場でドル高・円安が進んだことはハイテク株を中心に追い風材料に。後場に入ると先物主導で日経平均は次第高の展開に変わった。金や銅などコモディティ価格の上昇を背景に非鉄株などにも買いが目立った。
商いが乏しいなかで大引けにかけて株価指数先物に短期筋の買いが入り、この日の高値で引けた。
米商務省は8日、半導体受託生産の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)が米アリゾナ州に建設する新工場に補助金を支給すると発表した。製造装置の引き合いが高まるとの思惑から東エレクやスクリン、レーザーテクなどが買われた。
著名投資家ウォーレン・バフェット氏が率いる米投資会社バークシャー・ハザウェイが円建て社債の発行を準備していることが9日わかった。バークシャーは日本の5大商社株を買い進めており、三井物や住友商、三菱商に思惑的な買いが入った。資源価格の上昇を追い風に、非鉄金属株も高かった。
日経平均は続伸したものの、25日線水準での上値の重い展開となった。米CPIや卸売物価指数(PPI)などのインフレ指標に注目している。両指標が市場予想を上回り、インフレに対する見方が強まれば、早期の利下げ観測の後退につながり、米国市場も不安定な値動きを強いられる可能性がある。それ故に、結果を見極めたいと考える投資家は多いだろう。