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【大引け概況】


14日の日経平均株価は4日続伸し、前日比483円77銭(1.47%)高の3万3502円42銭で終えた。節目の3万3500円台を回復し、1990年3月以来およそ33年ぶりの高値を更新した。
 
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引き続き上値指向の強い地合いだった。前日の米国株市場では5月の米CPI発表を受けインフレへの警戒感が後退、米連邦準備理事会(FRB)が14日まで開く米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ見送りの可能性が高まったとの見方からハイテク株中心に買われた。これを受けて東京株式市場でも市場のセンチメントが強気に傾き、日経平均は上昇基調を強めた。海外投資家の買い攻勢が続くなか、解散・総選挙に対する思惑も物色人気を後押しした。半導体関連株の上昇が一服する一方で自動車や鉄鋼、非鉄などバリュー株への買いが目立ち、全体相場を押し上げている。日経平均はバブル崩壊後の高値更新が続いている。
 
13日発表の5月の米消費者物価指数(CPI)の伸びが鈍化し、物価上昇圧力が和らいだとの見方から、FRBは今週のFOMCで政策金利を据え置くとの見方が改めて強まった。前日の米株式相場が上昇し、東京株式市場でも幅広い銘柄に買いが先行した。
 
海外勢の買いは午後に入って加速した。FNNプライムオンラインが昼間に「岸田文雄首相は、内閣不信任決議案が16日に提出されれば、同日中に衆院解散を表明することを検討していることが分かった」と、複数の政府・与党関係者の話を基に報じた。21日の今国会の会期末を前に仮に衆院解散となれば、「選挙=株高」という過去の経験則(アノマリー)に乗って株高が一段と加速するとの思惑が買いを誘ったとの見方が出ていた。
 
ファストリが約2年3カ月ぶりに株式分割考慮後の上場来高値を更新した。トヨタが6%高と、連日で年初来高値を更新した。14日に開いた株主総会で、会社側が提案した豊田章男会長の取締役再任を含む役員選任議案はすべて承認された。ホンダの上昇も目立った。半面、これまで買いを集めてきたアドテストなど一部半導体関連などには利益確定の売りが出た。
 
東証株価指数(TOPIX)は4日続伸し、前日比29.74ポイント(1.31%)高の2294.53で終えた。1990年7月以来の高値を更新した。
 
東証プライムの売買代金は概算で4兆7554億円。売買高は16億4811万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1195と、全体の約65%を占めた。値下がりは579、変わらずは60銘柄だった。
 

 
業種別株価指数(33業種)では輸送用機器、鉄鋼、非鉄金属の上昇が目立った。医薬品、電気・ガス業は下落した。
 
個別では、ソフトバンクグループ(SBG)や信越化、ファナック、リクルートが上昇した。為替の円安を追い風にトヨタ自、ホンダ、日産自の輸送用機器が軒並み高。中国当局が景気刺激策を拡大させる方向に傾いているとの報道で日本製鉄、神戸製鋼所の鉄鋼、住友鉱山、三井金属の非鉄金属、コマツ、日立建機の建機、三井物産、三菱商事の商社、三菱UFJ、三井住友の銀行、三菱重工、川崎重工、IHIの重厚長大産業など景気敏感セクターが大きく上昇。業績予想を上方修正したトルク、自社株買いを発表したアイティフォー、目標株価が引き上げられたAppierなどは急伸した。
 
一方、半導体株が利益確定売りに押され、ソシオネクスト、アドバンテスト、スクリンなどが軟調。任天堂、シャープが下落した。東エレクはレーティング格下げが重しになったが、下げ渋った。三井ハイテック、新光電工のハイテクの一角が下落。ほか、第一三共、エーザイなどの医薬品や、東京電力HD、中国電力、東北電力などの電力・ガスの下落が目立ち、NTT、KDDIの通信も冴えず、リスクオン相場のなかディフェンシブ銘柄が総じて軟調だった。