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【大引け概況】


10日の日経平均株価は反発した。終値は前日比378円38銭高の4万3837円67銭と8月18日以来、3週間ぶりに最高値を更新した。

 
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きょうの東京株式市場はリスクを取る動きが一気に強まった。前日の米国株市場では米連邦準備理事会(FRB)による利下げ期待の高まりを背景にNYダウ、ナスダック総合株価指数など主要株価指数が揃って最高値を更新しており、東京株式市場でも投資家心理が強気に傾いた。空売り筋の買い戻しなどを絡め日経平均は大きく上昇した。また、東証株価指数(TOPIX)も最高値を更新した。
日経平均への寄与度の大きいアドテストが連日で上場来高値を更新し、相場を押し上げた。ソニーGも1カ月ぶりに上場来高値を更新するなど主力銘柄に買いが集まった。
 
日本時間今晩に発表される8月の米生産者物価指数(PPI)や明晩発表予定の8月の米消費者物価指数(CPI)を控え、この結果を見極めたいとの思惑から前場は日経平均が伸び悩む場面もあった。
しかし後場に入ると、海外機関投資家とみられる先物買いに連動する形で再び買い気が強まった。もっとも個別では主力株への買いが目立つものの、軟調な銘柄も少なくなく、値上がり数は全体の50%強にとどまっている。売買代金もやや盛り上がりを欠いた。
トヨタはじめ自動車株の下げが目立った。ただ、海外短期筋の株価指数先物買いが主導するかたちで日経平均は上げ幅を一時400円近くまで広げた。
 
米ブルームバーグ通信が9日夕、日銀関係者の話として「国内政治情勢が混乱する中でも、年内利上げの可能性を排除しない姿勢だ」と伝えたのをきっかけに日銀の年内利上げ観測が再び浮上した。国内長期金利が上昇し、三菱UFJなど銀行株の買いを誘った。
 
日経平均は最高値を更新したが、指数寄与度の大きい銘柄が押し上げた結果と言える。
自民党総裁選、総裁選後の衆院解散、FRBによる大幅な利下げなど、様々な思惑が交錯する状況であるが、基本的には週末に控えている9月限の先物・オプション特別清算指数算出(SQ)に絡んだヘッジ対応の影響が大きいだろう。そのため、SQ通過後の需給動向を見極める必要がありそうだ。

 


 
TOPIXは反発した。終値は前日比18.85ポイント高の3140.97と最高値を更新した。JPXプライム150指数も反発し、9.97ポイント高の1351.42で終えた。
 
東証プライムの売買代金は概算で4兆4726億円、売買高は19億3865万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は819、値下がりは725、横ばいは75だった。
 
業種別株価指数(33業種)は非鉄金属、銀行業、情報・通信業などが上昇。下落は輸送用機器、医薬品、鉄鋼など。
 
個別では、一頭地を抜く売買代金をこなしたソフトバンクグループ(SBG)が大幅高と気を吐いたほか、アドバンテスト、ディスコなども活況高。フジクラ、古河電気工業も商いを伴い値を飛ばした。三菱UFJフィナンシャル・グループなどメガバンクが堅調、イビデン、キオクシアホールディングスなども物色人気。関西電力、コナミグループ、トレンドも高い。GMOインターネット、武蔵精密工業が急騰、デジタルホールディングスも大幅高に買われた。
 
半面、サンリオが値を下げ、トヨタ自動車も冴えない。JX金属、川崎重工業も軟調。ダイキン工業、デンソーが売りに押され、第一三共の下げが目立つ。三井ハイテック、ベステラが急落、ビューティガレージ、大阪チタニウムテクノロジーズも大幅安。井関農機も売られた。