引き続きリスク回避目的の売りがかさむ展開となり、日経平均は一時700円超の下げをみせる場面があった。前場後半から下げ渋ったものの、後場は戻し切れず再び軟化、大引けは600円強の下げ、2万7200円台で着地した。
米国で相次ぐ銀行の経営破綻を背景に金融システムへ影響が及ぶことへの警戒感が、投資家の見切り売りを誘った。先物主導で下げ幅が広がったが、銀行や保険株への売り圧力が強く、全体相場の買い手控えムードを助長した。また、為替はドルが買い戻される動きも観測されたが、おおむね1ドル=133円台の円高水準でもみ合ったことも、手控えムードにつながった。プライム市場の96%の銘柄が下落する全面安商状となり、売買代金は3兆9000億円台と高水準だった。
10日に経営破綻したシリコンバレーバンク(SVB)に続き、12日にはシグネチャー・バンクも破綻した。13日の米株式市場では破綻の波が広がる可能性を警戒し、地銀を中心に銀行株が引き続き急落した。東京市場でも銀行や保険、証券株が大幅に下落し、日経平均の下げ幅は午前には700円を超える場面もあった。
国内では日本郵政が13日に傘下のゆうちょ銀の売り出し価格を決定した。1兆円を超える大型売り出しを前に保有株を売却し、売り出し株を取得するための換金売りが出たとの観測も相場の重荷だった。
日経平均は3営業日で約1400円下落した。チャート上で下値メドとみられていた200日移動平均(2万7353円近辺)を下回り、下げが加速した面もあった。
東証株価指数(TOPIX)も3日続落し、53.45ポイント(2.67%)安の1947.54で終えた。下落率は22年9月26日以来の大きさ。
東証プライムの売買代金は概算で3兆9041億円。売買高は19億967万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1771と、全体の9割を超えた。値上がりは55、変わらずは10銘柄だった。