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【大引け概況】


14日の日経平均株価は大幅に3日続落し、前日比610円92銭(2.19%)安の2万7222円04銭で終えた。下げ幅は2022年12月20日以来の大きさ。
 
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引き続きリスク回避目的の売りがかさむ展開となり、日経平均は一時700円超の下げをみせる場面があった。前場後半から下げ渋ったものの、後場は戻し切れず再び軟化、大引けは600円強の下げ、2万7200円台で着地した。
米国で相次ぐ銀行の経営破綻を背景に金融システムへ影響が及ぶことへの警戒感が、投資家の見切り売りを誘った。先物主導で下げ幅が広がったが、銀行や保険株への売り圧力が強く、全体相場の買い手控えムードを助長した。また、為替はドルが買い戻される動きも観測されたが、おおむね1ドル=133円台の円高水準でもみ合ったことも、手控えムードにつながった。プライム市場の96%の銘柄が下落する全面安商状となり、売買代金は3兆9000億円台と高水準だった。
 
10日に経営破綻したシリコンバレーバンク(SVB)に続き、12日にはシグネチャー・バンクも破綻した。13日の米株式市場では破綻の波が広がる可能性を警戒し、地銀を中心に銀行株が引き続き急落した。東京市場でも銀行や保険、証券株が大幅に下落し、日経平均の下げ幅は午前には700円を超える場面もあった。
 
国内では日本郵政が13日に傘下のゆうちょ銀の売り出し価格を決定した。1兆円を超える大型売り出しを前に保有株を売却し、売り出し株を取得するための換金売りが出たとの観測も相場の重荷だった。
 
日経平均は3営業日で約1400円下落した。チャート上で下値メドとみられていた200日移動平均(2万7353円近辺)を下回り、下げが加速した面もあった。
 
東証株価指数(TOPIX)も3日続落し、53.45ポイント(2.67%)安の1947.54で終えた。下落率は22年9月26日以来の大きさ。
 
東証プライムの売買代金は概算で3兆9041億円。売買高は19億967万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1771と、全体の9割を超えた。値上がりは55、変わらずは10銘柄だった。
 

 
業種別株価指数(全33業種)は銀行業、保険業、鉱業の下落が目立った。上昇は陸運業のみ。
 
個別では、三菱UFJや三井住友FGなど銀行株の下落が目立った。りそなHDは9%安となり、昨年12月の日銀の政策修正後の上昇を帳消しにした。富山第一銀行、千葉興業銀行、コンコルディ、ふくおかFGも安く、T&DHD、第一生命HDも売られた。トヨタは昨年来安値を更新した。円高進行を受けてホンダ、日産自、デンソーなど輸送用機器も大幅安。日本製鉄、神戸製鋼所の鉄鋼、三井物産、丸紅の商社、INPEX、石油資源開発が売られた。
 
一方、JMDC、ギフティ、インソースなどグロース(成長)株で買われている銘柄が散見された。大阪チタ、東邦チタは押し目買いが優勢。エーザイなどの医薬品、JR東日本、JR東海の陸運、日清食HD、森永乳業、味の素の食料品など、ディフェンシブ系やリオープン関連の一角が堅調。業績予想を上方修正したミマキエンジニアリングは急伸。第1四半期決算が評価された学情は買い先行も伸び悩む展開となった。