きょうは終始リスク選好の地合いだった。前週末に発表された9月の米雇用統計が事前コンセンサスを大きく上回る堅調な内容で、これを好感して欧米株市場がほぼ全面高商状に買われ、米国ではNYダウが最高値を更新した。
4日発表の9月の米雇用統計では非農業部門の雇用者数が市場予想を大幅に上回ったほか、失業率も前月から改善した。
強い雇用統計の結果を受け、米経済の軟着陸(ソフトランディング)期待が強まったことで米主要株価3指数が上昇。米連邦準備理事会(FRB)による大幅利下げ観測が後退し、円売り・ドル買いも進んだ。
外国為替市場では、円相場が1ドル=148円台前半と前週末夕に比べて大幅に下げ、業績面で追い風となるトヨタやコマツなどの輸出関連株が買われ相場を押し上げた。国内の金利が上昇するなか銀行や保険といった金融株にも利ざやや運用収益の改善を期待した買いが入った。
石破茂首相は7日午後の衆院代表質問で、「デフレ脱却を確実なものとするべく、岸田内閣の経済政策についてさらに加速させ、賃上げと投資がけん引する成長型経済の実現を図っていく」と強調した。日経平均はその後、上げ幅を900円に拡大する場面があった。
市場では「堅調な米雇用統計を受けた為替の円売りを好感した株買いが優勢となったが、今後円相場が1ドル=150円台に乗せるような動きになると、日銀による追加利上げ観測が出てくる公算が大きい。中東情勢も含めて、株式市場を巡る不透明感には引き続き注意が必要」との声が聞かれた。
日経225先物がナイトセッションで1000円高だったことから、朝方はこれにサヤ寄せする形でインデックスに絡んだ買いが先行した形である。買い一巡後のこう着は予想されていたと考えられ、上値の重さを警戒する流れにはならないだろう。反対に買い一巡後の底堅い値動きにより、押し目待ち狙いの買い意欲は強そうである。