朝方は、シリア情勢の緊迫化後退を背景にした12日の米国株高やドル高・円安を受け、買い優勢で始まった。トランプ米大統領が12日、環太平洋経済連携協定(TPP)復帰を検討するよう指示したと伝わったことも支えとなった。
しかし、午前の取引で上げ幅を前日比250円強に広げた後は伸び悩み、上値の重さも目立った。
一巡後、株価は尻すぼみ状態。円下げ渋りもあって利益確定売りに、後場中盤には一時2万1746円69銭(前日比86円41銭高)まで押し戻された。その後いったん切り返したが、戻りは限定され、大引けにかけて2万1800円近辺でもみ合った。
来週開催される日米首脳会談で、「貿易問題に関して何を突き付けられるか分からない」(大手証券)のも確かだ。警戒感が払拭されない中では、週末に買いポジションを持ち越すのはリスクが大きいとの判断があった。
日経平均ミニ先物・オプション4月限特別清算指数(SQ)値は2万1853円92銭となった。
JPX日経インデックス400は3日ぶりに反発した。終値は前日比92.12ポイント高の1万5299.88だった。東証株価指数(TOPIX)も3日ぶりに反発し、10.84ポイント高の1729.36で終えた。
東証1部の売買代金は概算で2兆4390億円だった。株価指数オプションなどの特別清算指数(SQ)算出に伴う取引があり、前日の水準を上回った。売買高は15億2766万株。
東証1部の値上がり銘柄数は1368と、全体の約66%を占めた。値下がりは638、変わらずは76だった。
業種別株価指数(33業種)は、海運業、鉄鋼、銀行業の上昇が目立った。下落はサービス業、医薬品、小売業など。
個別では、米ハイテク株高を受けて東エレクやSUMCO、ルネサスエレクトロニクスなど半導体関連の買いが目立った。古河電や郵船も上昇した。コマツや日立建機など機械株も買われた。
三菱UFJフィナンシャル・グループなどメガバンクが高く、マネックスグループは売買代金トップで大幅高。トヨタが5営業日続伸。インターアクションが急騰、CSPも大きく値を飛ばした。サムティ、平和不動産も買いを集めた
一方、前日に2018年2月期決算を発表したディップが急落。18年8月期の連結純利益を上方修正したファストリは朝高後に利益確定売りが優勢となり、午後に下げに転じた。資生堂やアサヒ、安川電、武田薬品工業が売られた。
リクルートホールディングスも売られた。リンクアンドモチベーション、ビジョンなどの下げも目立った。エムスリーが安く、トリドールホールディングス、神戸物産も下落した。
東証2部株価指数は前日比27.44ポイント高の7047.33ポイントと4日ぶり反発した。値上がり銘柄数は262、値下がり銘柄数は168となった。
個別では、ダイナック、セイヒョー、TONE、クワザワが年初来高値を更新。ファステップス、倉庫精練、大興電子通信、アジア航測、JMACSが買われた。
一方、アイケイ、上村工業、昭和ホールディングス、トーヨーアサノ、北越メタルなど16銘柄が年初来安値を更新。ツインバード工業、エスビー食品、大日本コンサルタント、省電舎ホールディングス、青山財産ネットワークスが売られた。