
米中貿易摩擦の緩和期待などを背景に、前日の米株式市場ではNYダウ工業株30種平均など主要3指数がそろって最高値を更新した。東京市場でも朝方からハイテクや半導体関連株に買いが先行し、想定以上の業績上方修正や自社株買いを評価されたアドバンテストは制限値幅の上限(ストップ高水準)まで上昇した。
連邦公開市場委員会(FOMC)開始で利下げ期待に寄り付き後、上昇。対中首脳会談での通商合意期待も根強く続伸した。さらに、好決算が好感材料となったほか、エヌビディア(NVDA)がけん引し、相場は一段高。終日買いが先行し、連日過去最高値を更新した。
前日の米株式市場の動向を横目に、本日の日経平均は反発して取引を開始。その後も買い手優位の状況が続き、取引時間中に一時5万1400円台まで上げ幅を大きく広げた。後場以降も高値圏でもみ合う展開が続き、大幅高で取引を終了した。
高市早苗内閣への政策期待などから日本株の先高観は根強い。日米政府が28日の日米首脳会談にあわせて発表した「日米間の投資に関する共同ファクトシート」で、対米投資に関心を示していたことが分かった日立やフジクラなども物色された。
日経平均の急ピッチな上昇を受け、市場では「短期的な過熱感は否めず、いつ調整が入ってもおかしくない」との指摘があった。
さて、東京株式市場は米株高など外国人マネーの買い主導で日経平均が再び最高値を大幅更新する強気の展開。国内の企業業績もトランプ関税やインフレなど不確実な要素が多いながら増益基調を明確にしつつある。一方、上げはアドバンテストのストップ高など半導体関連株に偏っており、本日はトピックスや東証プライム指数が意外にも反落している。