朝方から主力株をはじめ広範囲に買いが広がり、日経平均は上値指向を継続した。前日の欧州株市場では主要国の株価指数が総じて軟調だったものの、米国では長期金利低下を好感してNYダウ、ナスダック指数ともに4日続伸した。8月のADP全米雇用リポートが事前コンセンサスを下回る内容だったことから、米連邦準備理事会(FRB)による追加利上げ観測が後退。米長期金利が低下するなか、30日の米株式市場でナスダック総合株価指数は4日続伸し、およそ1カ月ぶりの高値を付けた。東京株式市場でもグロース(成長)株を中心に幅広い銘柄に買いが入った。
取引時間中に発表された8月の中国製造業PMIが予想を上回ったこともポジティブ視された。
中国国家統計局などが午前に発表した8月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は49.7と前月から0.4ポイント上昇し、市場予想(49.1)も上回った。中国の景気の先行き懸念が和らいだことも相場の支えとなった。
リクルートは3%超上げて年初来高値を更新。インバウンド(訪日外国人)関連も強く、JR東海も年初来高値を付けた。自動車生産の回復期待からトヨタも2%超上昇した。主要銘柄が買われるなか、日経平均の上げ幅は350円を超える場面があった。
日経平均は心理的な節目である3万2500円を終値で上回ったため、先高期待が高まりつつある。ただ、米国では31日、7月の米個人消費支出(PCE)物価統計が発表される。PCEコア指数の前月比伸び率は6月と同じ0.2%と見込まれている。このため、実際に市場予想通りの低水準にとどまり利上げ打ち止め観測につながるのか確認したいところだ。また、東証プライム市場の売買代金が連日3兆円超と増加しており、夏季休暇明けの外国人投資家が動き始めているのではないかとの見方も出始めており、この流れが続くのかも確認したいところだろう。
東証株価指数(TOPIX)は4日続伸し、前日比18.62ポイント(0.80%)高の2332.00で終えた。JPXプライム150指数も4日続伸し、8.63ポイント(0.84%)高の1038.14で終えた。